TSIホールディングス(HD)は26年2月期上期決算の結果を踏まえ、下期以降、買収したデイトナ・インターナショナルとのPMI(買収後の統合プロセス)など四つの施策を推し進める。上期決算は主力ブランドが振るわなかったものの構造改革は進んだ。
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四つの施策は①販売力の回復②成長への新たな仕掛け③デイトナとのPMIとシナジー発揮④企業価値の向上。
「売る力」の回復は、既存の主力ブランドが対象。「ナチュラルビューティーベーシック」(NBB)や「マーガレットハウエル」「パーリーゲイツ」などの売り上げは2ケタ減と苦戦しており、早期に立て直す。
EC会員統合の遅れも大きく響いたため、下地毅社長は、「下期はあらゆる施策を打って、新規含めて活性化させたい」と話す。
成長に向けた施策は、新規導入した「アルファ・インダストリーズ」及びNBBの新ライン「ネイビーネイビー」の販売開始や、16サイトを統合した「ミックスドットトウキョウ」初の期間限定店の開設などが中心。11月20日から東京ミッドタウン日比谷で開催する。
デイトナとの初期PMIは順調に進んでいるが、今後はデイトナの強みである「EC」と「小売り」の両面でシナジーの発揮を狙う。一部ブランドはデイトナに卸販売しているが、さらに連携を強める。若年層に強いデイトナの業態に合ったブランドの卸を通じ既存ブランドを活性化させる。
企業価値向上に向けては、既存事業や成長投資、株主還元など全てを強化していく。
上期決算の売上高は事業撤退やECサイト統合における会員移行の遅れが響き、前年同期比12%減の661億6000万円だった。営業利益は6億4000万円(前期は約2億円の赤字)。黒字化したものの、減収による粗利益の減少で計画に対しては未達だった。