“三つ編み”バッグの「ヌノニシタイ」 縫製工場から独立し会社設立

2025/09/24 10:59 更新NEW!


代表に就く中矢さん(右)と、ブランドディレクションと生産を担う後川さん。現在、工房兼店舗のオープンに向けて工事中だ

 OEM(相手先ブランドによる生産)主力の縫製工場、オオミスタイル(滋賀県高島市)が始めたバッグ主力のブランド「ヌノニシタイ」が、同社から独立する。企画から製造販売を担ってきた中矢佳希さんと後川梨愛さんが10月1日、ブランドと同名の会社を設立する予定だ。11月下旬のオープンを目指し、JR近江今津駅(同市)近くに工房兼店舗の準備を進めている。

(小堀真嗣)

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 ヌノニシタイは24年秋にオオミスタイルが立ち上げたブランド。看板商品は持ち手が〝三つ編み〟の8号帆布バッグ(税込み7800~1万4800円)だ。中矢さんがリーダーを務め、三つ編みの持ち手を考案した後川さんはディレクターを務め、ほぼ全ての生産を手掛けてきた。

持ち手が三つ編みの帆布バッグ

 昨年11月に実施したクラウドファンディングでは、目標金額(30万円)を開始3時間程度で達成し好評を得た。その後、SNSを中心に情報を発信しながら、各地での期間限定販売イベントも通じて着実にファンを増やしてきた。インスタグラムのフォロワー数はすでに1万を超える。月産で約70個という少量生産の背景もあるが、これまで2カ月に1度のペースで追加生産して自社ECで販売すると、短期間で完売する状況が続いている。

 この間、ヌノニシタイを事業として継続する道筋を模索するなかで独立・起業を判断した。新会社ではこれまで通りヌノニシタイのバッグを製造・販売する。工房兼店舗にはミシン5台をはじめとする生産設備を整える。裁断は県内に協力先が見つかり、必要な時に設備を借りることができるという。当面は月産70~80個のペースで作り、OEMも視野に安定稼働させていきたい考えだ。

 中矢さんは「ヌノニシタイを始めたことで、自分たちが作った商品をお客さんに直接販売できるようになり、商品に対する反応もあるのでとてもやりがいを感じている」と話す。リアルのイベントを通じて「お客さんから『商品を直接見たい』という声が多かった」とし、店舗スペースを小さいなりにも設けた。軒を連ねるテナントは空きが目立ち、シャッター街となっている。「少しでも地域を盛り上げるきっかけになれたら」との思いも述べた。



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