23~24年秋冬は、ミニマルスタイルも継続する。90年代を代表するミニマリズムを再解釈する「ニューミニマリズム」。前シーズン広がったミニマルスタイルに装飾が少し加わって、フェミニンな方向に進化している。抑えた色目のワンカラースタイル、縦長のストレートラインを軸にしながら、部分的にドレープや丸みをプラスして変化を作る。クリーンでエレガントなイメージだ。
(青木規子)
【関連記事】23~24年秋冬トレンド解説②マスキュリン&フェミニン 肌見せとウエストシェイプ
すっきりとしたモダンなスタイルは、ここ数年続くトレンドの一つ。「ジル・サンダー」をはじめとする人気ブランドが発表し、じわじわと市場に広がった。その流れをくんで前シーズン、90年代のミニマルスタイルが再燃した。特徴は直線的でシンプルなライン。今シーズンはその要素に、動きが加わっている。
丸み加えてフェミニンに
新しいミニマルスタイルの最大の特徴は、フォルムにある。シンプルで直線的なラインに、部分的に曲線を加えてソフトな印象に仕上げている。
特に今シーズンっぽいのは、「ロエベ」のシンプルなシアリングコート。ディテールをそぎ落としたミニマルなコートだが、腰から下がわずかに丸みを帯びている。クリーンだけど優しく仕上がっている。
「プラダ」のセットアップも今シーズンを象徴する。ノーカラーのクロップトジャケットとストレートスカートはいたってシンプルで、装飾は全くない。普通と違うのは中わたによる膨らみのみ。ふんわりとした丸みが、すっきりとしたルックを柔らかく包み込む。ミニマルなのにどこか違う。その絶妙なさじ加減が、今っぽさにつながっている。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!