23~24年秋冬トレンド解説③ニューミニマリズム 進化するワンカラーのエレガンス

2023/04/13 15:00 更新有料会員限定


 23~24年秋冬は、ミニマルスタイルも継続する。90年代を代表するミニマリズムを再解釈する「ニューミニマリズム」。前シーズン広がったミニマルスタイルに装飾が少し加わって、フェミニンな方向に進化している。抑えた色目のワンカラースタイル、縦長のストレートラインを軸にしながら、部分的にドレープや丸みをプラスして変化を作る。クリーンでエレガントなイメージだ。

(青木規子)

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 すっきりとしたモダンなスタイルは、ここ数年続くトレンドの一つ。「ジル・サンダー」をはじめとする人気ブランドが発表し、じわじわと市場に広がった。その流れをくんで前シーズン、90年代のミニマルスタイルが再燃した。特徴は直線的でシンプルなライン。今シーズンはその要素に、動きが加わっている。

丸み加えてフェミニンに

 新しいミニマルスタイルの最大の特徴は、フォルムにある。シンプルで直線的なラインに、部分的に曲線を加えてソフトな印象に仕上げている。

 特に今シーズンっぽいのは、「ロエベ」のシンプルなシアリングコート。ディテールをそぎ落としたミニマルなコートだが、腰から下がわずかに丸みを帯びている。クリーンだけど優しく仕上がっている。

ロエベ

 「プラダ」のセットアップも今シーズンを象徴する。ノーカラーのクロップトジャケットとストレートスカートはいたってシンプルで、装飾は全くない。普通と違うのは中わたによる膨らみのみ。ふんわりとした丸みが、すっきりとしたルックを柔らかく包み込む。ミニマルなのにどこか違う。その絶妙なさじ加減が、今っぽさにつながっている。

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