トランスコスモスとスタイラー資本提携

2016/08/03 05:00 更新


 EC支援などを行うトランスコスモスと、スマートフォンアプリ開発のスタイラーは、チャット(対話)を活用したO2O(ネットと店舗の相互送客)支援分野で資本・業務提携した。トランスコスモスは顧客企業への実店舗送客を含めた支援に乗り出し、スタイラーはトランスコスモスのカスタマーサポートなどの活用により、対話型アプリの機能を拡張する。

チャットアプリで020支援

 トランスコスモスがスタイラーの第三者割当増資を引き受けた。増資額は非公表だが、数億円と見られる。ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業とコミュニケーション機能という2社の補完関係により、中長期的な事業提携となる見通しだ。

 スタイラーは、消費者とアパレル店を会話でつなぐスマートフォンアプリ「スタイラー」を開発・運営するスタートアップ企業。服の購入の際、表現しにくい抽象的なニーズを、チャット形式でユーザーが参加店舗に相談できるコミュニケーション機能が中核だ。「何となくこんなものが欲しい」といった投稿に対し、該当イメージに近い在庫がある店から、商品の推薦を受けられる。こういったやり取りを通じて、ユーザーと店、あるいはスタッフをつなげ、実店舗への送客を促す。

 同時に、アプリ内で盛り上がった話題を随時、記事としてまとめ、オウンドメディア「スタイラーマグ」を通じて、ファッションスナップドットコムをはじめ複数ニュースサイトへ配信。商品や店の情報をネット上で拡散し、送客がさらに促進される設計だ。

海外で先行、国内も高まる注目

 今回の提携により、①稼働時間が伸び、ユーザーニーズに迅速に対応②ボット(自動応答)など技術活用でコミュニケーションの質・量が拡大―し、スタイラーが目指す〝対話型O2Oコマース支援〟の深耕が期待できる。ユーザーは昼夜関係なく投稿するが、店舗スタッフは日中の営業時間しか返信できない。時差を利用して、夜間帯の返信をトランスコスモスの東南アジアのコールセンターが担うことで、稼働時間を伸ばし、ユーザーと商品のマッチング精度向上につなげる。またトランスコスモスが力を入れるボットやAI(人工知能)も取り入れていく予定。18年末までに、ユーザーをアプリ版、ウェブ版併せて、国内外で500万人規模へ成長させる計画だ。

 こうした、ショップとの対話を経た商品購入は、中国や東南アジアでむしろ先行し、ここに来て日本でも注目されている。コールセンター事業を展開するトランスコスモスは、店舗送客へつながるチャット機能を手に入れる。海外を含めたアパレル企業にスタイラーのサービスを提供し、ECサービスを拡充する。



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