メゾン見飽きた客に好評の仕立て服

2015/04/10 10:35 更新


 デザイナーの小野智海が手掛けるレディスウエア「トモウミオノ」(ポニー、電話03・6659・2907)が、有力専門店での受注会で好評だ。東京・南青山の「アタリー」、銀座の「サンモトヤマ」などの高級店で受注会やセミオーダー会を開き、顧客である富裕層のマダムをつかんでいる。

 小野は文化服装学院を経て東京芸術大学で学び、パリ・オートクチュール組合校に留学。「メゾン・マルタン・マルジェラ」企画チームなどで働いた後に帰国し、09年にブランドを立ち上げた。女性の体のラインをきれいに見せるジャケットやコート、ドレープが流れるドレスを得意としている。

セミクチュールラインのドレープドレス
セミクチュールラインのドレープドレス

 受注会ではシーズンごとに企画するコレクションラインと、アーカイブ商品をベースに、サイズを調整して仕立てるセミクチュールラインを揃え、顧客の要望に合わせて素材やデザインの一部変更も受ける。採寸と仮縫いを行い、手縫いで仕立てるクチュールラインもあり、デザインやパターンを一から起こすことも可能だ。

 コレクションラインのジャケットが秋冬物で7万5000円中心、サイズ調整や素材変更などを行うとその2~3倍になる。セミクチュールラインのシルクのドレープドレスは16万円から。クチュールラインの袖口にビーズ刺繍が載ったシルクのコートドレスは65万円前後という。

アタリーでの展示会
アタリーでの展示会
デザイナーの小野は77年生まれの38歳
デザイナーの小野は77年生まれの38歳

 これまで、アタリーでは13年12月から計4回の受注会を開催。サンモトヤマは今年3月にセミクチュールの受注会を行った。一回の受注会で100万円近くオーダーする客もいたという。「顧客はみなビッグメゾンの商品を見飽きていて、新鮮な商品を探している。トモウミオノは仕立てがしっかりしており、素材もどんどん良くなっているので、目の肥えた顧客も満足させられる」とアタリーの平山寛子社長。

 小野は「セミクチュールライン、クチュールラインをより充実させていく。ほかには無い一点物を作ることができ、一人ひとりの体形に合わせて仕立てていくのは、作る側としても面白い」と話す。今後はコレクションラインの卸し先開拓にも力を入れる。現在は都内ではアタリーのほか、伊勢丹新宿本店4階などで販売している。



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