東急電鉄グループ 東京・歌舞伎町に大型複合施設

2019/08/06 06:27 更新


高さ約225メートルの高層ビルを建てる(イメージ)

 東急電鉄と東急レクリエーションは東京・新宿の歌舞伎町1丁目に大型複合施設を今月から本格着工する。22年度(23年3月期)に開業する予定。映画館、劇場、ライブホールなどのエンターテインメント施設とホテル、商業施設で構成、主にインバウンド(訪日外国人)を中心とした観光客の取り込みを狙う。周辺の通りも再整備するなどして「街の回遊とにぎわい創出」(東急電鉄)を目指す。

(有井学)

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 東急グループが旧・新宿コマ劇場前広場(現・シネシティ広場)前で運営していた映画館などの娯楽施設「新宿TOKYU・MILANO」の跡地を中心に再開発する。敷地面積は約4603平方メートル。建物は地下5階~地上48階と塔屋1階、延べ床面積約8万8000平方メートルで、高さは約225メートルとなる。22年8月31日に完工する予定。

 施設全体のコンセプトは「宿場町からグローバルツーリストの目的地へ」。「多様な滞在ニーズに対応する宿泊施設や複合エンタメ施設などを備え、歌舞伎町に不足する機能を補完する」という。

 地上17~47階は東急ホテルズが運営するホテル、12~15階は東急レクリエーションが運営し、約8スクリーンを備えた約5800平方メートルの映画館とする。ホテルは17階と45階に「歌舞伎町に不足する〝街の社交場〟としての機能を持たせた」レストランを配置、高層階にはアート、音楽などの「街の文化を織り込んだ」客室を整備する。

 映画館以外のエンタメ施設は東急電鉄、東急レクリエーション、ソニー・ミュージックエンタテインメントが昨年12月に共同出資で設立したTSTエンタテイメントが運営する。地下4階~地下1階を約3200平方メートル、最多で約1500人が収容できるライブホール、地上8~11階を約3300平方メートル、約850席の劇場とする。商業施設は地上1~6階で、テナントは「飲食店を基本」とする。

 「街づくりに貢献する」ため、「地域からの要望が多かった」成田空港や羽田空港と連絡するリムジンバス乗降場を作るほか、近隣の西武新宿駅前通りなどを再整備する。シネシティ広場を中心とした公共空間と施設が一体となったエリアマネジメントを東急グループも参画する組織「歌舞伎町タウン・マネージメント」と連携して実施する。シネシティ広場に面した屋外ステージと屋外ビジョンを活用し、映画や音楽関連のイベントも積極化する。

 東急電鉄として、再開発を進める渋谷などと一体で「観光の産業化に取り組み、20年の東京五輪・パラリンピック後の活性化につなげ、25年の大阪・関西万博に向けたリーディングプロジェクトにしたい」という。



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