東京ブランドの21年春夏向けレディスは、デザイナーそれぞれが感じているリアルな気持ちがストレートに反映された。新型コロナウイスの感染拡大で外出がしにくい状況は、自分たちが本当にやりたいこと、伝えたいことに向き合う機会となった。その結果、昨シーズンの男性的な強さは控えめとなり、個々に装う楽しさを掘り下げるクリエイションへと多様性が増した。
(須田渉美)
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「アキコアオキ」(青木明子)は前シーズンの凛(りん)とした印象から一転、フェミニンムードにあふれた装いを見せた。「大人の女性って、本来は外的な要素に落ち込みやすかったり、何もしたくない気持ちになったりと、少女のように傷つきやすい部分がある。自分の弱さを認めて共存してもいいのでは」と青木。品のある小花柄や透けるレース生地で柔らかなボリュームを出したパフスリーブ、オフショルダーのバルーンスリーブなどクラシックな作りの袖に、青木らしいカットアウトディテールを融合し、ガーリーでモダンなドレスを揃えた。フリルを寄せたミニエプロンも目を引く。キャミソール風に着用したり、プルオーバーの上にレイヤードしたりと、軽やかに大人の可愛らしさを引き出す。