東京ブランド24年春夏　日常使いに違和感を添えるバランス　女性らしさ、ラフさを再解釈

　東京ブランドは24年春夏向けで、日常の着こなしに違和感を添えるバランスが目を引いた。女性らしいシルエットや柔らかさを強調しながら、スタイリングの幅を広げるアイテムへと発展させている。

（須田渉美）

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　テーラードジャケットをカジュアルな感覚で見せるアレンジが広がった。「自分が着て気持ちがいい一着を考えた」と言うのは「コトハヨコザワ」（横澤琴葉）。異素材を切り替えたアイテムを多彩に提案するなか、初めてテーラードアイテムに取り組み、レイヤードスタイルに新鮮味を出した。昔のテーラードジャケットを解体して本質的な作りに理解を深めた上で、かしこまった印象はそぐわないとラフに崩す発想が横澤らしい。ダブルガーゼのコットンを使って、最初から体になじむ着用感にした。肩パッドでショルダーラインを強めに出しながら、ラペルは着崩したようにずらす。背中に2色の帯のような布を取り付け、巻いてウエストラインを強調したり、無造作に垂らしたりと、複数の着方を楽しめる。憧れの一着よりも、毎日、身近に着用できるものでありたい、率直な気持ちを反映してカジュアルに仕立てるバランスが光った。

　ニューヨーク（NY）を拠点にする「タナカ」（タナカサユリ、クボシタアキラ）は、主力のデニムウェアにとどまらないフェミニンなテクスチャーやシルエットのアイテムを揃えた。その一つがテーラードのセットアップ。NYらしいパンチの利いたオレンジのスーツ地を使い、程良くシェイプを入れる。そのシルエットに合わせ、ポケットの付いたカバーオールの切れ端をコラージュした。女性らしさにラフさを添え、ストリートムードのリアリティーを感じさせる。取り外しも可能だ。