靴職人の五宝賢太郎氏(グレンストック代表)は、故郷の徳島県の伝統工芸や地域資源を生かすことで、次世代につながる新たな価値を生み出すプロジェクトをスタートした。徳島をキーワードに集まった写真家の大杉隼平氏、猟師の家形智史氏と3人で会社を設立し、害獣を有効活用した革製品ブランドを立ち上げた。7月8日には地元職人の魅力を発信する場として、徳島市中心街にセレクトショップ「ウブワ」もオープンする。
(大竹清臣)
より多くの人に
プロジェクトのきっかけは、写真家の大杉氏が徳島県の生産者や職人を撮影する中で「出会った人たちの技術をもっと多くの人に知ってもらいたい」との思い。2年前、コロナ禍で自身の靴作りを見つめ直していた五宝氏は「革靴の長い歴史と文化が根付く欧州にはかなわない。日本人としてのオリジナリティーをどう表現すべきか」と自問自答していた。その頃に猟師の家形氏から「駆除した害獣の肉はレストランに卸しているが、未利用だった皮をどうすべきか」と相談を受け、「これまで培ってきた靴作りの技術を地元に生かせるはず」と新たな活路を見いだし、ブランド開発に至った。
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