帝人、米沢で100周年イベント 碑前祭やアワードなど

2018/10/02 06:27 更新


 帝人は9月29日、発祥の地である山形県米沢市で創立100周年記念イベントを開いた。市内の「人繊工業発祥之地」の石碑前での碑前祭のほか、山形大学の城戸淳二教授の記念講演、よねざわ市民ミュージカルによる秦逸三の人造絹糸(レーヨン)製造研究と事業化の苦難を描いたミュージカルの上演、未来せんいアワード受賞式などが行われた。

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 米沢は、同社の創業技術者秦逸三が米沢高等工業学校(現山形大学工学部)でレーヨン製造の研究開発に取り組み、前身の東工業米沢人造絹糸製造所を経て、1918年に帝国人造絹絲が独立した帝人発祥の地。100周年イベントでは、米沢市や関連団体と未来せんいプロジェクト実行委員会を作り、テキスタイルや製品を対象にしたアワードや小学校高学年による未来のファッションの絵画コンクールを行った。

 中川勝市長は「米沢は絹織物の産地。この地で100年前に未来繊維の化学繊維が発祥したことは誇りである。今も山形大学のベンチャーをサポートしており、次の100年につなげたい」と語った。また、鈴木純帝人社長は「秦逸三の米沢高等工業学校での研究基盤と鈴木商店の資金力でレーヨンの工業化に成功、米沢の地に帝人は誕生した。まさに産学連携を具現化したものだ。発祥の地は大事にしたい。化学には無限の可能性がある。ビジネスを考える前に未来を考え、これからも未来の社会に貢献できるものを生み出していきたい」と決意を述べた。

米沢市の中川市長(左)と鈴木帝人社長
碑前祭での鈴木社長
米沢市にある人繊工業発祥の地の石碑


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