JR高松駅や高松港、バスターミナル、高松シンボルタワーなどが集積しているサンポート高松地区でも、複数の開発計画が進行している。高松駅では、JR四国ステーション開発が運営する新たな駅施設「タカマツ・オルネ」が24年3月に開業する予定だ。隣接地には、徳島文理大学の香川キャンパスが25年4月開校予定で全面移転し、中四国最大級の県立体育館(あなぶきアリーナ香川)も24年度の完成予定で、エリアの集客機能が高まる。
既存施設と一体化で
高松駅の新施設は、敷地面積5200平方メートルに、地上4階建ての商業棟(延べ床面積1万40平方メートル)と駐車場棟(5450平方メートル)の構成で、売り場面積は6220平方メートル。
1階は〝高松セレクト〟がコンセプトの食品スーパー「エースワン」、四国キヨスクの土産・食品・雑貨の新業態「ハレノヒヤ」、地元和菓子店「夢菓房たから」、地元料亭による弁当・総菜の「二蝶」など食物販を中心に生活雑貨などで構成する。2階の〝高松スタイル〟は、地上1~3階の既存施設「COM(コム)高松」の2階と連結した飲食と物販フロア。3階は〝高松メッセージ〟で中四国初となるシェアラウンジを併設した「ツタヤブックストア」や、旅行・サービスなどが入る。4階は大屋根付きで約660平方メートルの人工芝の広場と、従業員休憩室など後方施設で構成する。コンビニエンスストアや飲食店など「利便性施設」のコム高松に対し、新施設は「目的地にもなりえるライフサポート型」の位置付け。
新施設と既存施設を含めた全体をタカマツ・オルネとし、販促企画も統一する。総売り場面積9000平方メートル弱、店舗数約70店で、年間売上高80億円を目指している。
滞在・回遊性アップへ
徳島文理大学の新高松駅キャンパスは、地下1階~地上18階建ての学部棟と地上8階建てのホール棟の構成。県立体育館は最大収容数1万人のメインアリーナとサブアリーナ、武道施設兼多目的ルームなどを備える。24年春と25年春の予定で二つのマンションの新設工事も進んでおり、通勤・通学、居住者などの増加が見込まれる。
10年から始まった瀬戸内国際芸術祭により国内外の観光客も増えている。JR高松駅の1日平均の乗降者数は、四国4県で最も多く、22年度で2万1850人(乗車人員×2)。まだ19年度実績には届いていないが、23年度はさらに回復している状況だ。
サンポート地区では毎月1回、NPO法人(特定非営利活動法人)が香川県産の食文化などを提案する「さぬきマルシェ・イン・サンポート」を開いている。県による車道を遊歩道化する社会実験も開始しており、滞在性や回遊性を高める取り組みが広がりそうだ。