サブスクリプション(定額利用)型商品・サービスを集めた日本初のオンラインモール「サブミー」が12月10日、オープンする。サブスクは広がりつつあるが、メニューは会社やブランドごとに独自で、一般ユーザーがサービスを探したり比較したりするのが面倒なため開発に至った。スタート時にはジュンやナルミヤインターナショナル、アーバンリサーチなどが参加。アパレルブランドの参加を促しつつ、コスメやインテリア、ゴルフギアなどに広げる。半期で約100ブランドの参加を見込む。
(永松浩介)
運営会社はサブミー(東京、梅澤快行社長)で、梅澤社長は元アパレル経営者。今回の参加ブランドはサブスクモデルを持っていなかったため、一部企業とは共同でサービスメニューを作った。アパレルでも取り組みが始まったサブスクだが、まだ実例は少ない。「コロナ下の巣ごもり消費でECは伸びている。新しい販路の一つとして捉えてもらえれば」という。
例えば、ナルミヤの「プティマイン」の場合は、月額3630円(税込み)で上下服のコーディネートが毎月届く。体の成長に合わせてサイズも月ごとに変更できる。継続購入客となるため、新作商品だが通常より安い価格設定。ナルミヤの石井稔晃社長は、「忙しい親の洋服選びのお手伝いの一環で、頻度の高い日常着をメニューにした。親が選ばない洋服が届くこともあり新しい発見につながれば」と話す。
参加企業の初期費用や月額固定費は無料。販売金額に応じた手数料を支払う。手数料は非公開だが、一般モールに近い料率になりそう。注文を1~15日、16日~月末でそれぞれ締めて各企業に伝え、25日と10日に商品を発送してもらう。利用客のデータは出店者と共有する。
出品は「日常の消耗品のようなものと、買う前に試したいような商材の両面が考えらる」と梅澤社長。商品は返品不要で所有権はユーザーにあるが、メニューによってはリースのようなタイプも。アーバンリサーチは「コールマン」の椅子やシェードなど4点セットを出品するが、残価設定型だ。月額8000円の利用料を支払い、一定期間が経てば買い取ることも、利用を止めることもできる。
参加を希望するブランドはウェブから申し込む。一般ユーザーにはアプリ(iOSとアンドロイド)開発を急いでいるが、当面はウェブで受注する。半年後をめどにアプリを公開する。
消費者と参加ブランドの両方を獲得する必要があるプラットフォーム運営は簡単ではないが、「キッズやキャンプなどフックになるカテゴリーの買い手をまずは増やしたい」と梅澤社長。そのためSNS広告などでサービスの認知度を高める。「ロペ・ピクニック」で出店するジュンの佐々木進社長は「コロナ下で消費者のマインドも変化しており、こうしたサービスへのハードルも下がっている。テストの意味合いもあるが可能性を探りたい」と話している。