新生ストライプインターナショナル トップダウンから脱却 業績回復へ

2023/09/15 06:30 更新


「この会社は自力があると感じた」と話す川部社長

 今年、社長に川部将士氏が就任したストライプインターナショナル。従業員の主体性に訴えかける経営で業績も回復しつつある。上期(2~7月)の営業利益は前年同期比138.2%増で営業利益率は5.9%、売上高は507億円だった。9月には組織も変更した。

ミーティング重視

 元来は圧倒的なリーダーシップで成長してきたが、「会社のパーパス(存在意義)を明らかにし、社内が一つの目標に向かっていくために中期経営計画を立て、各部署がやるべきことをつまびらかにし、実現していくのが大事」という。就任時から取り組むのは、全部長と各事業部の責任者15、16人とのミーティング。川部社長の呼びかけで毎月行う。事業が滞りなく進むように、時にはアイデアを出し、進捗(しんちょく)に応じて開催頻度も柔軟に変えている。

 中期経営計画やパーパスを川部社長以外の幹部20~30人で、ワークショップ形式で考えた。「お客様に届けたい価値を自ら言語化する」のが狙い。決まったパーパスは「ファッションの力で笑顔が輝くあしたを作る」で、社内の合言葉とした。「ファッション」はアパレルにとどまらず、生活を彩る全てのものを指す。「とても良い言葉を考えてくれたと感謝している。パーパスに反することは経営としてやらないと決めている」。

 全社で「ファッションの力でお客様を笑顔にしようと決めたからか、商品を正価で粘り強く売ってくれた」と上半期を振り返る。値引き販売を抑制でき、利益が大幅に改善した。

 組織も変え、ポートフォリオの最適化にも本格的に着手する。従来はストライプ単体の10事業部を事業本部で統一していたが二つに分けた。主力の「アースミュージック&エコロジー(アース)」「アメリカンホリック」「グリーンパークス」を事業本部に、それ以外を開発本部と位置付けた。デジタルマーケティングとECは社長直属とし、OMO(オンラインとオフラインの融合)施策も推進する。

市場別に対応する

 主戦場のマスマーケットは「景気に左右されやすい」側面があるため、付加価値のある商品で支持されるブランドも強化する。その点で「駅ビルやファッションビル、もしくは百貨店にも企業の存在を高める」のを視野に、市場ごとの事業構造に対応できる体制を整えた。

 主力ブランドの中で「慎重」なのはアースだ。客が求めるタイミングで求められている商品を適切な価格で販売する「機能的価値」に加え、「情緒的価値にブランドらしさがある」。全国のSCや駅ビルにある約170店で今春夏から、販路に合わせたVMDを組んで成果は出ているが、ブランドの意思を丁寧に伝えるのも肝要と考える。

 ティーキャピタルパートナーズと目指すIPO(新規株式上場)は「準備はある程度できているが、収益性や予算統制に大きな課題が残っている」とする。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事