「ステラ・マッカートニー・ケアズ・グリーン」スタート

2018/12/04 11:00 更新


 ステラ・マッカートニーは、サステイナビリティー(持続可能性)支援を目的としたチャリティー活動「ステラ・マッカートニー・ケアズ・グリーン」を開始した。

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 デザインに使われる資源とデザインが環境に与える影響について責任を持つというマッカートニーの信念に基づいて、取り組みが始まった。環境を守るための取り組みへの支援、助成金の交付、アニマルフリーで持続可能な次世代素材の開発に対する賞の贈呈などを行う。

 ファッションビジネス全体に対して、サステイナビリティーを取り入れることを促し、ファッション業界と世界の環境に有益な変化を起こすことを目指す。一般の人々、学生、業界で働く人々など対象は多岐にわたる。活動を通して得た情報や知識、団体立ち上げに関する調査報告は、オンラインのオープンソースで共有する。

 重要な活動は三つ。①NGO(非政府組織)への助成金の交付や、環境上、最も必要なものを保護するために闘っている世界中の法律家とロビイストを支援する資金作りを通じて、環境保護に対する取り組みを支援すること②素材イノベーション、持続可能なデザイン、循環型の経済、動物福祉について。実際の業務において、転換にかかる資金を援助すること③次世代デザイナーに教育を提供し、知識を伝え、サステイナビリティーに関する情報を得る方法を変えること。既存の教育方法を批判することでファッションを学ぶ学生の先入観を変え、さらに持続可能かつ環境に優しい未来を築いていくこと。

「ステラ・マッカートニー」の18年冬キャンペーンビジュアルでは、動物福祉の考えをもとにした「ファーフリーファー」のアウターや、接着剤を使わない「ループスニーカー」が使われている

 マッカートニーは「私たちの考えを世界のみなさんと共有することを楽しみにしている。誰もが真実を得られるオープンな場を作り、次世代のデザイナーがファッション業界で持続可能な価値を創造できるようにするという、私が長年抱いてきた夢を実現できると信じている」とコメント。同じ志を持つ人や企業からの資金援助も歓迎する。

 ステラ・マッカートニー・ケアズとは、ステラ・マッカートニー自身が英国で設立した非営利慈善団体。マッカートニーが個人的に推進する取り組みと、マッカートニーの信念を主軸にした支援の2本柱で運営している。乳がん予防を主な目的とする「ステラ・マッカートニー・ケアズ・ピンク」は10月に発足した。

ステラ・マッカートニー


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