水を使わない染色方法の一つとして、超臨界流体二酸化炭素染色(超臨界染色)が注目されている。技術そのものは10年以上前に登場したが、初期投資の高さや技術的な課題で普及には至っていなかった。一方、サステイナブル(持続可能な)の流れで水資源への関心が高まり、国内ではYKKがファスナーで実用化、スタイレム瀧定大阪も生地のストック販売を始めるなど機運が高まっている。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の先導研究プログラムで社会実装に向けた研究も進んでおり、本格普及へ期待が高まる。
(中村恵生)
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製品に下げ札
超臨界染色は、熱水で行う従来の染色方法とは全く異なる。密閉された状態で物質に熱と高い圧力を加えると、液体や気体とは別の超臨界流体に変化する。超臨界流体の二酸化炭素を使うと水なしで特定の染料が溶け、ポリエステルの生地を染色できる。
染色機をいち早く実用化したオランダのダイクーは、東南アジア中心に複数台を販売済み。6月に伊ミラノで開かれた国際繊維機械見本市のITMAでは初の小型機を披露し、ユーザーの初期投資軽減を狙った。ベトナムの染色拠点、クリーンダイもアピールした。
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