原燃料や物流費の高騰に円安も重なり、ファッション小売りは商品の値上げを迫られている。だが、コスト上昇の単純な価格転嫁には慎重な企業が多い。生活者の所得がほとんど上がっていないため、値上げで客離れや売れ行きが鈍化する懸念があるためだ。大手SPA(製造小売業)やセレクトショップでは、22年春夏物は可能な限り値上げせず価格を据え置き、秋冬以降、商品の価格と価値のバランスを改めて見直し、客が受け入れられる形での値上げを目指す考えが目立つ。
(柏木均之)
単純値上げに割高感
ファーストリテイリングは22年春夏物について「何品番かは値上げ、あるいは価格見直しをせざるを得ないが、限定的」とする。「お客様の価格に対する感覚は非常に厳しい」と見ており、「値上げは避けたい」のが基本スタンスだ。一方、秋冬物に関しては目下「価格と価値のバランスを全て見直している」。
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