そごう・西武 年頭のメッセージ広告に反響 百貨店は希望の象徴

2021/01/18 06:30 更新


 そごう・西武が21年の年頭に発信した企業メッセージ広告「百貨店が売っていたのは、希望でした」に対する反響が広がっている。元日付の全国紙、地方紙の全面広告のほか、全11店でのポスター、デジタルサイネージの掲示、自社ホームページの特設サイト、SNS(ツイッター、フェイスブックなど)を通じて拡散し、顧客からは「涙が出るほど感動した」といった想定を超える反応があった。

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 広告は緊急事態宣言による休業明けの20年6~11月の販売実績を基に作成した1枚のレシートを掲出したシンプルなもの。コロナ禍で顧客や従業員が様々な不安を強いられたが、「お客様は、制約のない自由な生活が戻ってくることを思い描きながら百貨店で買い物をされた。そうしたお客さまの望みに思いを巡らした時、レシートに記載される買い物の記録は、お客様それぞれに個性的で自分らしい『希望』の象徴なのではないかと考えた」(相原秀久営業企画部広告・宣伝担当部長)という。

 レシートには「自由に旅行できる日のために、662人のお客さまが、スーツケースを購入された。マスクの下でもメイクを楽しみたい7万6175人のお客さまが、口紅を購入された。夏祭りは中止だったけれど、浴衣は475着。さっそうと街を歩く日を待ちながら、お求めになったハイヒールは1001足。生まれてくる命を、566セットのベビーギフトが全力で祝福した」と記されている。

 同社は17年から企業メッセージ「わたしは、私。」を年頭に発信しており、昨年は大相撲の炎鵬をモデルに起用し、文章を上から読んだ時と下から読んだ時で意味が全く異なる広告が話題となった。21年はコロナ禍だからこそ「お客様の心に寄り添って、原点に立ち返った。お客様の希望のリストをかなえるお手伝いをしていきたい、という思いを表した」(後貴芳美広告・宣伝担当)。百貨店が売るものは不要不急のモノだが、ただのモノでないリアル店の存在意義を強調する。

 公式ユーチューブの動画(本編90秒)の再生数は30万回に達した。「自身の勤める百貨店でないが、恐れ入りました」「働く人へのメッセージとしても素晴らしい」などの書き込みがあった。

元日付新聞や全店のポスター、SNSなどで拡散したメッセージ広告


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