仏、サッカーW杯優勝の経済効果20億ユーロ

2018/07/17 15:19 更新


 サッカーのワールドカップ(W杯)で20年振り2度目の優勝に輝いたフランスチーム、通称「レ・ブルー」。この経済効果はいかほどか。

 企業向け信用保険世界最大手仏ユーラーヘルメスのチーフエコノミスト、ルードヴィック・スュブラン氏は、ブルー優勝が18年に与える経済効果として消費が1.1%から0.2ポイント増の1.3%に、これによりGDP(国内総生産)は1.8%から0.1ポイント増の1.9%と予想する。概算すると20億ユーロの経済効果。同氏は「優勝後の予定外の出費もある」と続け、優勝にわく消費者の購買意欲持続を示唆する。ブルー初優勝の98年は、失業率低下、原油価格下落のトリプル効果で3.6%増の経済成長を記録した。

 W杯で最も恩恵を受けたのは家電で、6月のテレビ販売台数は前年同期比64%増。当然のことながら「ナイキ」公式仏ユニホーム(大人用140ユーロ、子供用70ユーロ)も爆発的売れ行き。スポーツ用品専門チェーン店アンテルスポールは4月の発売以来7万4000枚、同チェーン店ゴースポーツでは4万枚が売れた。仏チームの決勝進出が決まると、ナイキのシャンゼリゼ店はユニホームを求めるパリ市民たちが押しかけパニックとなった。

 経済効果もさることながら、今回の優勝での一番の変化は女性サポーターの増大。初優勝を機にサッカーに興味を持つ女性が増え続け、この20年間でその数は男性にほぼ匹敵し、”職場よりも早くサッカーで男女平等”と言われるほど。応援用メイク、ヘアをはじめ、おしゃれなグッズが増えたが、そこは個性を大切にするパリジェンヌ。ユニホームに頼らず「ブルー」のドレスやシックなスタイリングのサポーターが目を引いた。来年は女子W杯仏大会が開かれる。仏サッカーファンは今から楽しみにしている。

(パリ=松井孝予通信員)

サッカーW杯優勝でにぎわうパリ




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