日本人作家によるバティックとイカット展(杉本佳子)

2018/06/24 11:00 更新


ニューヨークの天理文化協会ギャラリーで、「アワ・ロード バティックxイカット=モダンテキスタイル展」が始まった。染色作家の荒井健と染織作家の増山紀代夫妻による、海外初の個展だ。夫妻は東京芸術大学在学中に出会い、1967年に結婚。現在も創作活動を続け、増山氏は2012年に文化勲章を受章している。ダイナミックな展示が注目され、21日に行われたオープニングレセプションは大盛況。多くはテキスタイルやアートに関心のある日本人とアメリカ人だった。夫妻のインドネシアでの長年の制作活動と伝統的技法保存への尽力が認められ、在ニューヨーク・インドネシア領事館も後援に加わった。


色柄は、伝統的なイメージのバティックやイカットから、既成概念を外れたものまで幅広い。モダンな色柄と、プリミティブな色柄の両方が展示されている。


貝殻が取り付けられた作品もある。フリンジに付けられた細長い貝は、増山さんが世界的に有名なイカットの産地であるスンバ島で見つけたもの。貝同士がぶつかり合うと、なんともいえないさわやかな音がする。


天理文化協会はグリニッジビレッジにある。ストリートに面して大きな窓があり、新緑と作品の対比も美しい。


レセプションでは増山氏(左)がスピーチ。増山氏は、「安くたくさんつくられているものにあまり魅力を感じない。糸1本1本を大事にする愛と優しさをスンバ島の布に感じた」と、スンバ島に惹かれた理由を説明した。増山氏がはいているスカートに関心を示す来場者も多かった。子供が結婚する時に子宝に恵まれることを願って母親が着る衣装で、貝の刺しゅうでモチーフを描いている。


オープニングレセプションでは、ガムランのライブ演奏も行われた。展覧会は、7月3日までの月曜日から木曜日と土曜日に開催される。



89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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