マンハッタンの57丁目の5番街とマジソン街の間は、昔から最高級デザイナーブランドの直営店が並んでいたが、最近一段と「激戦区」の様相が色濃くなっている。
昨年11月、ルイ・ヴィトンがそのブロックに期間限定店をオープンした。5番街と57丁目の角にある旗艦店の改装に伴うもので、2~3年にわたる営業を予定している。そこはかつて、ティファニー本店が改装中に期間限定店を営業していたロケーションだ。
以来、ルイ・ヴィトンのカフェとティファニーのカフェが人気を集めている。そこにきて、今度は同じブロックにディオールの旗艦店「ハウス・オブ・ディオール・ニューヨーク」が6日、オープンした。そのディオールにもカフェがあると聞き、「三つ巴の戦い?」と思ったが、ちょっと違った。
というのは、ディオールのカフェは、ルイ・ヴィトンやティファニーと違い、カフェで飲食だけすることはできない。買い物したお客だけが、そこでお茶を飲んだりクッキーを食べたりできるシステムなのである。カフェでの飲食はあくまでも「買い物経験の一環」という位置づけで、飲食で稼ぐことは戦略に入っていないのだ。「何か買わないと入れないカフェ」に他にない特別感があることは確かだが、店としての総売り上げを考えた場合、これが吉と出るのか凶と出るのか、興味深い。
そして、そのカフェは、グローバルで初となるホームストアの奥にある。ホームストアでは、お客が好みの柄を選んでお皿をつくるカスタムオーダーのサービスもある。
ファッションの店の方は、ガーデンをテーマとしたディスプレイがいっぱい。しかも、ジッパーや布の切れ端をアップサイクルして木、リス、トンボ、ハチ、フクロウ、キツツキ、クジャク、セミなどをつくっているところが今風だ。通りに面した大きなウインドーでは、一部の虫や鳥が自動で動き、通りかかる人たちの目を引き付けている。売り場は1階から4階までで、4階はアメリカ初のスパが入居している。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)