心斎橋パルコが20日に開業 「新しい複合ビル」へ 隣接する大丸と連携

2020/11/18 06:29 更新


 パルコは11月20日、大阪・心斎橋に心斎橋パルコを開業する。同じJ・フロントリテイリンググループの大丸心斎橋店本館とつながる旧北館(地下2階~地上14階と屋上、延べ床面積約5万8000平方メートル)を全面改装して入る。昨年11月に建て替え・全面改装オープンした渋谷パルコ、名古屋パルコと並ぶ「基幹店」の位置付け。渋谷のエッセンスを軸にした高感度ファッション、アート、カルチャーの発信によって「パルコらしさ」を出すとともに、百貨店の「強み」も取り入れ、「百貨店でも専門店ビルでもない新しい複合ビル」(牧山浩三社長)を目指す。全約170店で、年間売上高(一部テナントを除く)は約220億円の計画。

(有井学)

 12階の映画館と13階レストランフロアは来年1月、地下2階のバーなどの飲食フロアは3月にオープンする。

 パルコとして国内18施設目。関西では91年5月から11年9月まで近隣で運営していた旧・心斎橋パルコ以来。旧・心斎橋パルコと比べて店舗面積は約5倍、テナント数は10倍以上。大丸本館の中心顧客の年齢層が高く、近くの心斎橋オーパの中心客層が10~20代のため、「ターゲットとしてエリアに欠落している」(緒方道則店長)30~40代の取り込みを狙う。店舗面積のうち衣料品の比率は24%で、都心型のパルコの中で最も低くし、食物販も大丸本館に食品売り場があるため1.3%とした。一方、7階全てに入る「無印良品」、近隣の路面から移転し、9、10階の一部と11階全てに入る「東急ハンズ」や家ナカ需要の増加を踏まえたインテリア・家具など雑貨を37%とした。英会話教室やパルコの直営コワーキングスペース「スキーマ」などサービス業種や飲食も約15%と充実した。無印良品や「ユナイテッドアローズ」「ステュディオス」など旧北館に出ていた店も多く、「新規客獲得だけでなく、それぞれの顧客を継続して取り込む」。無印良品は大幅増床し、パルコ側からの要請で「イデー」を入れ、大丸の客も狙う。

 地下1階にコスメ、1、2階に「ティファニー」「バーバリー」「エンポリオアルマーニ」など海外ラグジュアリーを集めて大丸と相互送客する。コスメは「コスメキッチンビューティー」「イニスフリー」など大丸よりも買いやすい価格帯の店を入れ、ラグジュアリーはレディス・メンズ複合店を数多く入れる。日本のセレクトショップもレディス・メンズ複合店を充実、「ランド・オブ・トゥモロー」はインポートを拡充した。6階にキャラクターグッズ店を集積、14階にアート・カルチャー、デジタル技術を発信するスペースを設け、パルコらしさを出す。牧山社長は「渋谷パルコの開業から1年経ち、コロナの影響も受けながら、様々なことを学び、進化した。心斎橋ではこれを体現したい。ECが浸透する中で、ここに来ると楽しいと思う場を提案し、エリアを活気付けたい」と語った。

1、2階に海外ラグジュアリーブランドを集積、大丸と相互送客を狙う


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