繊研新聞が日々発信するニュースには、経営者やデザイナー、職人、販売スタッフなど、様々な人々の「言葉」が満ちています。
【「言葉」で振り返るファッション業界】では、熱のこもった言葉たちをひと月ごとに振り返り、ご紹介します。
「現状に危機感を感じている」
旭化成社長の工藤幸四郎さん
創業100周年に社長に就任した。旭化成が理系の就職人気企業ランキングでも常に上位にあり、社会から良い会社だと評価されていることに、逆に危機感を覚えると言う。「有力企業の日立やソニーも一度は存亡の危機を経験し、経営改革を経て良くなった。もうひと踏ん張り立派な企業に成長するには、挑戦する気持ちや健全な危機感を常々啓蒙(けいもう)することが必要」と考える。
(繊研新聞本紙22年5月6日付6面)
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「全ての製品が物語を持ち、生産者の顔が浮かべるようになれば豊かになる」
アンドゥアメット代表兼デザイナーの鮫島弘子さん
エチオピアで現地の高級シープレザーを使った生産と現地職人の育成も進めるレザーブランドの「アンドゥアメット」を立ち上げて10周年を迎えた。「1社で出せるソーシャルインパクトは限界がある。大企業が変わらないといけない」と企業向けの新規事業として、現場でエシカル(倫理的な)を体験し、考えてもらう研修の提供も考える。「経営者は決断の連続。日本はそれが弱い。起業家が増えたら、日本がもっと魅力的で生き生きした国になるのでは」との自論も。
(繊研新聞本紙22年5月13日付8面)
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「価値あるジュエリーを若い世代に」
石友取締役通販事業部長兼企画デザイン部長の青柳公子さん
水晶をクローズアップしたジュエリー「プルトワ」をEC発で立ち上げた。ジュエリー産地、甲府の活性化と発信強化を目指す山梨ジュエリープロジェクトを土台に、メーカーの強みを生かした。デザインだけでなく、EC構築も一からチームで運営を担い、百貨店で期間限定店も出した。「消費者の反応に触れることで、レベルアップにつながる」と、物作りへのこだわりと発信力を高めていく。
(繊研新聞本紙22年5月18日付7面)
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「ゆるやかで多様性がある連帯を目指す」
三星毛糸社長の岩田真吾さん
昨年開催した地域イベント「ひつじサミット尾州」の発起人を務めるほか、LGBTQ(性的少数者)のセミナーも尾州で開く。ひつじサミット尾州は消費者参加型の体験会をすることでウールと産地の啓蒙を担う。参加した企業間で新たな企業活性化の取り組みが始まるなど成果も出始めた。LGBTQセミナーについても「LGBTQへの理解は産地に多様な人材が参加する一つの力になる」と注力する。
(繊研新聞本紙22年5月20日付2面)
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「仕事に信念を持ち準備と努力を惜しまず、やりきる力を付けてほしい」
デサントジャパン社長の小川典利大さん
吸収力があることは若い人の特権だとして「興味の有無にかかわらず、貪欲(どんよく)にチャレンジをして、様々なことを吸収する努力をして欲しい」と新人たちにエールを送る。多様なことを吸収していければ、信念を実現する際のプラスに働き、自信につながるはずだと、自身の駆け出しのころの経験をもとにアドバイスする。
(繊研新聞本紙22年5月27日付7面)
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