足のむくみがツライ…そんな時に気をつけたい5大ポイント

2016/10/16 06:00 更新


 

《センケンクリニック》 ー業界人の健康相談、受付中ー

【質問】 足のむくみに悩んでいます。基本的に立ち仕事で、1日に約7時間は売り場にいて、座ることはあまりありません。最近、朝もむくみがとれません。

(30代・女性・販売職)

【回答】 夏は、むくみに悩む方が多い季節です。解消するには、まず歩くこと。運動時に用いる圧力サポートタイプのタイツで、筋肉を締めるのもお薦めです。食生活では、小豆の煮汁が効果的です。

(漢方薬局店主、薬学博士の根本幸夫さん)

◇今日の心得◇

1.歩く時は、かかとから

2.冷房を直接、当てない
3.午後の水分は少なめに
4.もち米の類は要注意
5.足裏マッサージは良し

 

【詳細】

夏は、むくみに悩む方が多い季節です。夏バテのだるさと同じように、湿気と関係があり、つらい症状が出やすい時期と覚えておいてください。 以前にお話ししたように、漢方では「湿邪」と言って、強い湿気は病気の要因の一つと考えます。その影響は、最初に皮膚に現れ、水分が多くなると筋肉・関節、その後に胃腸から手足、さらには喉の風邪や精神的なうつを引き起こすことがあります。   つまり、水分が汗腺のところにたまることがよくないのですが、湿度が高く、暑い夏には、皆さんよく水を飲む一方で、屋内は冷房が利いているため、汗として体の外に出し切れず、朝方にむくんでしまいがちです。本来、水分の新陳代謝の悪い人は、水を飲みすぎてはいけないのです。

クリニッククーラー

寝る時に、短パンとTシャツ姿という人も多く、冷房で体が冷えすぎて、足が〝つる〟場合もあります。たまった水分が皮膚から、筋肉まで届いて体に悪く作用しているわけです。むくみは直接、冷房に当たらないことが大事なので、短パンなどで寝ていると、朝もだるくて起きにくくなりますよ。

では、足のむくみは、どう解消したらいいか。まず歩くことです。心臓がポンプの役割をして、体内の血液の流れを促していますが、心臓から遠い足首もよく動かすことで、ポンプにするのです。足首をよく返すことがポイントです。大またで、かかとから着け、足首を返して足裏全体をつけるように心がけます。1日に6000歩くらい、時間にして30分を目安にすると良いでしょう。インターバル足法というものも注目されており、「電信柱で2本分早く歩いたら、次の2本はゆっくり歩く」など、やりやすい方法を工夫してみてください。

クリニック歩く

 

もし、机に向かって事務作業をする人なら、いすの上で結構なので、たまに正座をするのも良いですよ。これは、自分の上半身で下半身を指圧・マッサージするようなものです。そのほか、運動時に用いる圧力サポートタイプのタイツで、筋肉を締めるのもお薦めです。私も使っていますが、立ち仕事の人にも良いでしょう。

 

クリニック正座

食生活では、小豆の煮汁が効果的です。大さじ3の小豆と水3カップを30分弱とろ火にかけます。足のむくみだけでなく、膀胱炎などにも良いですよ。このほか、ハトムギ茶もお薦めです。逆に、もち米の類やギンナンは水はけが悪くなるのでやめましょう。

クリニック小豆

 

漢方薬は、麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を用います。喉の渇きを伴うものには五苓散(ごれいさん)が良いですね。ただ、体質や症状によりますから、漢方医や薬局に相談してみてください。  

〈回答者について〉
根本幸夫さん(ねもと・ゆきお) 東京・大岡山の漢方平和堂薬局店主。横浜薬科大学教授。薬学博士。



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