SCディベロッパー コロナ禍を経て成長戦略加速 大型改装や地域共生

2023/12/18 07:58 更新


個性とリアルの価値を打ち出した施設が好調(ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真)

 コロナ禍を経て、SCディベロッパーが成長戦略を加速している。コロナ禍で抑制していた投資を再拡大し、大型改装を行い、売り上げを大きく伸ばす施設が増えてきた。多くが中心客層のニーズを捉え、館独自の個性と「リアルの価値」を打ち出し、成果を上げている。今年に開業したSCの中でも、同様の施設が消費者から支持されている。

 足元商圏を主力とする施設を中心に、地域との共生施策がますます重要になっている。物販や飲食など従来のSCの機能にとどまらない「地域のインフラ」としての役割を発揮するため、産学連携や地元行政、事業者との協業などで新たな取り組みを始める施設が増えている。サステイナビリティー(持続可能性)への取り組みも、SCが消費者から支持され続けるためには不可欠だ。

 成長のために、CS(顧客満足)とES(従業員満足)の向上も欠かせない。ESではSC業界全体で深刻化するテナント従業員の人手不足の解消につなげるため、営業時間の短縮や従業員休憩室の整備など働きやすい環境作りを強化する施設がさらに増えている。営業時間を一定の枠内でテナントが自由に設定できるようにするなど柔軟に取り組む施設も出てきた。各施設とも、テナントとコミュニケーションを重ね、そのニーズを反映させたことがESの成果につながっている。

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