OTBのロジックを活用してみる(佐藤正臣)

2016/11/18 00:00 更新


佐藤せんせの算数で極めるMDへの道⑨


 大手セレクトショップでMD(マーチャンダイザー)を務めていたマサ佐藤。バリバリと仕事をしていたマサだがその実、30代後半になるまで数値管理にはまったく疎(うと)く、本格的に始めたのは大手チェーン店に契約社員として入社した38歳になってからという。

 そこで鍛えられてフリーランスになったマサは、夜ごと、ホームである三軒茶屋界わいで、悩めるバイヤーやMDに講義を行っている。自称・三茶大学の先生であるマサ佐藤の20余回にわたる講義を覗いてみた。

■ 前回のレポートはこちら→OTBのロジックを知る2


*    *    * 

せんせ!まず報告があります。


 どうしました?
 

実はこの講義の講義料が会社の経費で落ちることになりました。
 

それはよかったですね
 

この取り組みをうちの会社の社長に話したら、「是非、学んでこい。そして うちの会社にその取り組みを生かせ」と言われました。
 

それは良かった。そんな喜びもつかの間では講義に入ります(笑)。 まずは、前回の内容を簡単にまとめると?まずはこの図でしたね。これを図1とします。


 
 
 


 はいそうです。この図で気になる点は?せんせに言われ、私は7月の 売上原価が大きい(10,000で6月の倍)ことが気になりました。
 

はい。そうでしたね。ここで、この図のシチュエーションの前提条件を簡単に まとめると。
 


1. 私が事業部長。受講者さんがMD・バイヤー
2. 現在が4月20日ごろと仮定
3. この事業部は発注してから、店頭までの入荷に約2か月くらいかかる
4. 商品は春夏物のみ。7月末が会社決算なので、7月末在庫を3,000にしてほしいという指示を出している
5. 5・6月の仕入は発注済み。7月の仕入金額はMD・バイヤーが発注したい予定金額。発注は今週中。 ルールとしては5・6月はセールしない。7月はセールがある。 ということにします



 へい(なんか前提条件多いな・・・頑張ろ)。
 

こんな感じのシチュエーションってよくありません?
 

うちの会社はここまで細かいことはチェックしませんが、期末在庫の指示 はよく言われます。「いくらにしろ~!!」みたいなこと。
 

そうですか。ではここで、ここまでの講義で学んだ「売価・原価・粗利益・値入」の意味。 前回学んだOTBのロジックを使って、この上の表をOTB表で表現しますよ。
 

(ついに来たか)。




95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、
様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。
現在、多方面で活躍中
www.msmd.jp



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