小田急SCディベロップメントが運営する小田急線相模大野駅直結のSC、相模大野ステーションスクエア(相模原市)は前期(23年3月期)に続き、今期も「過去最高売上高を更新できる」(大津秀樹相模大野営業室支配人)ペースだ。日常生活需要に対応した幅広い店舗構成と地域共生施策が足元商圏客に支持されている。
前期売上高は191億6000万円(前期比6.1%増)で、コロナ禍前の19年度超え。今期も8月までで前年同期比11.8%増、19年同期比9.8%増、9月も前年同月、19年同月実績ともに上回った。
昨年11月に駅改札口コンコース前に導入した食品スーパー「成城石井」が「見込み通り」で、飲食店も好調なほか、家電「ビックカメラ」が相模原市の省エネ補助金と神奈川県のキャッシュレス決済によるポイント還元事業「かながわペイ」の導入効果で、大きく伸ばした。かながわペイは7月27日から9月5日まで飲食、食物販、雑貨、コスメなど24店で導入し、「売り上げをかなり押し上げた」。4~8月を通して、ファッション・雑貨では「グローバルワーク」「ユニクロ」「ジーユー」「サックスバー」「スリーコインズ・プラス」「アクアコスメラボ」などが好調だった。
小田急グループのポイント5倍企画など、その時期のニーズに応じたきめ細かな販促と全社で強化している地域共生施策も実った。ゴールデンウィークはテナントや駅との連携企画を主体としたワークショップ、夏休みは8月3、4日に小学生を対象にした施設や駅の「お仕事体験」イベント、8月11~21日には夏休み企画として、地元のJAXA相模原キャンパスと北里大学との協業による「宇宙」をテーマにした初のイベントを体験型企画を主体に行い、「好評だった」。お仕事体験イベントは28企画を実施、参加枠69に734人の応募があった。
9月15日にA館4階に大創産業の生活雑貨「スタンダードプロダクツ」と「スリーピー」の複合店を導入。同フロアの「ハンズビー」などとの相乗効果で、「4階全体の客数を増やす」。10月11日にはこれまで施設になかった子供向け体操教室を入れ、「母親層の来館増も見込む」。
地域共生企画も継続し、10月14日には町田を含む近隣の大学生がワークショップなどを行う「つながりマルシェ」を初めて開く。11月には開業27周年企画を1カ月間実施し、地域をさらに盛り上げる。