恵山は、ヤングエレガンスブランド「ロイヤルパーティー」で、その時期必要な商品やブランドらしい商品が店頭に揃うよう、MDスケジュールの明確化や企画の見直しを進めている。主要店舗中心に売り上げも上向いてきた。
「業績が悪い時は、作り手とお客様の距離が広がりがちになる。ものづくりのプロセスもあいまいで、誰に向かって作っているのかなど目的が不明確な商品が増えていた」と山岡壮一郎執行役員統括本部長。
16年11月頃からロイヤルパーティーを主に担当し、「取り組んだことはシンプル」だ。社内のコミュニケーションが伝言ゲームにならないよう組織はコンパクトにした。MDのスケジュール管理では改めて商品を4分類し、シーズン通して長く売る商品、展示会商品、期中商品、差し込みやリピートの商品とした。企画会議も定例化した。
売り上げのカギとなる期中商品では、どの時期のどういうニーズに対してどの商品が入るのかなど、計画的に準備することで「商品の穴がなくなってきた」。スケジュール管理などの成果は、自社の他ブランドにも生かしたい考えだ。
企画面では各商品の役割をデザイナーとしっかり共有する。ブランドの強みは「上品な女性らしさ」。「セクシーすぎずカジュアルなアイテムも女性らしく見えること」が重要だ。ここを追求することで余計なサンプルも減った。
これらの取り組みを通じ、17年7月頃から復調してきたという。18年春夏はラッフルのブラウス、デニムのタイトスカート、レースワンピース、シャツワンピースなどが売れている。
店舗数は少しずつ減らしており現在15店。テイストを絞ったこともあり出店先によって売り上げに差はあるが、こういう商品を好む客層が多い都心店は好調。
主要4店の18年3月期の売り上げは前期比13%増だった。ブランドらしさを保つには「10~15店が適正だろう。34%増収と好調なECはさらに強化したい」。
女性の好みが多様化し、ヤングエレガンスの市場やブランド数は縮小傾向にある。以前に比べ、他ブランドからの買い回りも見込みにくい。得意のワンピースをはじめ、ロイヤルパーティーにしかない商品を欠かさず提供することがますます重要になりそうだ。