瀧定名古屋婦人服地部89課は、デザイナーとの協業を広げている。6月には国内デザイナーと同社の国産テキスタイルをつなぐ「THE LINE」(ザ・ライン)を始動した。
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同課はテキスタイルを製品で納品する製品事業を強化しており、高いデザイン性を重視している。その一環で同社が注目する国内デザイナーとの協業コレクションを打ち出し、セレクトショップなどに販売していく。エージェントと組んでジャパンメイドとしてアメリカなど海外への販売も視野に入れる。
河内明彦同部部長代理兼同課課長兼婦人服地部門営業推進室室長は「日本の工場、クリエイターを守りたい。海外へ日本ブランドを販売する難しさは知っているが、活動領域は広がるはず」と話す。
コレクションを披露した展示会では「すでに複数社から話がきている」と反応は上々だ。今後は合同展トラノイ・トーキョーなどに出展し訴求していく。
デザイナーはブランドのセカンドラインとして販売でき認知度を高められる。ザ・ラインは「出入り自由なコミュニティーのようなもの」として参加するデザイナーを増やしていく。
26年春夏物は国内産地生地を使う「クオティアス」、ジャカードやレース使いの「マホロオギノ」、山形県米沢市の生産者と組むテーラードスタイルの「コーティー」の3ブランドが参加した。


クオティアスの齋藤和歌子デザイナーは「同社の生地は以前から使っており、魅力的な生地が豊富にあると思っていた。使ったことのない生地にチャレンジでき、ブランドとしても新たな発見になるのではと思い参加した」と話す。
齋藤氏は同社の意匠生地から普段使用していない色や柄を積極的に選び、毛足の長いフェザージャカードでトップ、ストライプ生地でブラウスなどをデザイン。クオティアスの得意とするフリル、ラッフル、アシンメトリーをポイントにした。