葛城煙火×リゲッタ 「こういう時こそ挑戦を」 カンボジア花火大会の基金に

2020/11/07 06:28 更新


 今夏の花火大会は多くが中止となった。各地の花火大会で実績を持つ葛城煙火(大阪市、古賀章広社長)はこういう時こそ新しい挑戦が必要と考え、シューズメーカー、リゲッタ(大阪市)との協業を決めた。花火をモチーフとするサンダルを企画、売り上げの一部を寄付してカンボジアの子供たちに花火大会をプレゼントするのが目標だ。

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 きっかけは葛城煙火の古賀社長とリゲッタの日吉慶三郎副社長が大阪青年会議所で出会ったこと。互いに国内で物作りし、海外展開する共通点があった。古賀社長とリゲッタの上嶋敦営業部リーダーが幼なじみだったこともあり、急速に話は進んだ。

 「コロナで花火大会がなくなり、新しい挑戦をしないと生き残れない」と古賀社長は考えた。葛城煙火は「花火は平和のシンボル」というテーマを掲げ、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいる。カンボジアでは過去3回花火大会を実施し、花火講座なども開いている。カンボジアは長く続いた内戦の影響が残り、日本の花火を通して火薬の悪いイメージを払拭(ふっしょく)し、平和への一歩をともに歩みたいという思いがある。

 協業サンダルは「リゲッタカヌー」の定番モデルに花火柄を表現したもの。レディス用(5980円)は線香花火、メンズ用(6980円)とキッズ用(5437円)はスターマイン(速射連発花火)の柄を載せる。店頭に入るのは来年2~3月。売り上げの一部はNPO(非営利組織)法人HEROを通じてカンボジア花火プロジェクト基金となる。

 カンボジアでの花火大会は22年2月を予定している。古賀社長は「もうけよりも、挑戦し、社会貢献することが回りまわって企業価値を上げることになる」と話している。

葛城煙火の古賀社長

(繊研新聞本紙20年10月2日付)



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