今回はバッグ市場の今とそれを取り巻く環境を、業界ビギナーのプリ子が繊研新聞社の記者に聞きます。
Q.日本のバッグ市場の近況は?
A.バッグの市場規模はここ数年、革小物を含めて1兆円前後で推移していますが、売る店はアパレル店、雑貨屋、インテリアショップ、文具店、バラエティーショップなど広がっています。
一方、バッグ専門店は個店専門店がこの20年で大幅に減り、海外ブランド店やチェーン店が増えました。ECも伸びています。商品は従来のバッグだけでなく、財布との中間商品、スマホ収納ケースなど、種類が増えています。
Q.バッグの生産地はどこですか?
A.日本で販売されるバッグはアパレルと同じくアジアを中心とする海外生産がほとんどです。ここ数年でみると、円高傾向や消費者の国産志向の強まりなどで国内生産が見直され、国産を再強化する動きも出ています。
ただ、国内工場はある程度量産されているランドセルなど一部を除いて中小零細企業が大半で、職人が高齢化、後継者不足などで生産能力を高められない状況にあります。現状では国内の生産能力をできるだけ維持しながら海外での物作りのレベルアップで対応していく流れです。
Q.国内バッグ企業の状況や課題は?
A.大都市有力百貨店のバッグ売り場は、海外ブランドに占められています。そのため国内卸企業はチェーン専門店やECなどに力を向ける傾向にあります。
また、以前は海外ブランドなどのライセンスブランドに頼る傾向が強かったのですが、自社ブランドを強めるところが増えてきました。自社ブランドの直営店も徐々に広がっています。一方で、アパレルブランドなどのOEM(相手先ブランドによる生産)を受注してバッグを供給し販路を確保する動きも強まっています。