プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)25年春夏では、気候変動により快適性が全てのアイテムで必須となっている。同時に、外出需要の強まりから、普段使いのファッションアイテムでも光る個性が求められる。前提条件のサステイナビリティーに対応しながら、猛暑や暖冬など変化の激しい環境下でも快適で長く使える素材の重要性が増している。そのような中で、麻をはじめとする原料の高騰によって天然繊維調素材の需要が増加、さらには加工で表面に変化をつけた、個性ある素材に注目が集まった。
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表面変化 凹凸でナチュラル感
表面感が個性的な生地が多く見られた。中でも目立ったのがシボ感だ。宇仁繊維は「ミラクルウェーブ」加工が根強く人気。リップルのポコポコとした凹凸感が受けている。カゲヤマは、国内のナチュラル系ブランドの顧客を中心に表面変化のあるタイプが好評だ。綿・スパンデックスでは、シャーリングのようなシボを出した。韓国向けではサッカーに引き合いがあり、1回のオーダーで1000メートルの発注がある場合も。会場では、メランジ調やワッシャー加工などで表情を加えた麻や綿使いも並んだ。
暑さ対応 秋口まで軽量薄地
猛暑や夏の長期化といった気候変化に合わせ、求められる生地にも変化が見られる。「秋口でも薄手の生地を求める声が出ている」と話すのは滋賀麻工業。初秋向け投入の生地で、シアー、シャリ感のある綿・ヘンプ・ラミー織物が採用された。古山は、凹凸感を出した綿麻織物を推している。経糸にリネン、緯糸に綿・リネンの混紡糸を使った生地をワッシャー加工し、肌離れの良い生地で清涼感を出した。ダックテキスタイルも、5オンスや6オンスといった軽量薄地のセルビッジデニムを提案する。
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