商社の製品ビジネスは新しい局面を見せている。新型コロナの規制緩和が進む中で一定の明るさが見えてきた。地政学的なリスク回避を目的としたサプライチェーンの再構築はASEAN(東南アジア諸国連合)を軸にシフトが進んでいる。従来型のOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)から脱却し、付加価値型商材の提案が各社とも広がりを見せている。
【目次】
MNインターファッション 社長 木原伸一氏
‟総合エンジニアリング”発揮
23年3月期は売上高、利益ともに期初計画を達成する見込みだ。しかし、市況はいまだ完全に戻ってはいない。今年度は当社のレジリエンスが試される。大事なことは顧客の動向に敏感になることだ。商社の〝総合エンジニアリング機能〟を発揮して、素材メーカーとの取り組みや調達パートナーとの関係強化を図りながら、顧客の課題解決に貢献する。成長領域である海外市場に向けては従来以上に注力する。大阪の輸出部隊における織物及び原料販売の再強化を図る。中国及び香港、ベトナムでは当社現地法人を活用して製品ビジネスを広げる。なかでも中国は内販、香港は非対日市場に向けた拡大を図る。これらの情報の一元管理や打ち手のまとめを担うセクションとして、当社経営企画部のなかにグローバル対応チームを4月に設置した。成長の持続性の面では、新規事業に向けた投資やM&A(企業の合併・買収)を積極的に検討する。機能素材を持つ企業との協業や買収も想定する。海外でのワーキングウェアを含むユニフォーム分野でも伸びが期待できる。
当社は売上高をベースに規模拡大を前提にした戦略を重視する。利益重視では既存領域を越えた発想が出てこない。あえて目指すべき売上高を先に設定することで、今後の成長に必要なアプローチを引き出していく。
帝人フロンティア 取締役副社長執行役員衣料繊維部門長 鈴木哲志氏
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