歴史ある日本のファクトリー発のオリジナルブランドが目立った。自社の物作りを強みにアイテムを絞り込んだ商品開発が特徴。既存アイテムに機能性やファッション性など新たな切り口を加えることで、今までアプローチできていなかった卸先の開拓にもつながりそうだ。
(カッコ内はブース番号)
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カネマサ莫大小(H-30)は街着にもなるパジャマのオリジナルブランド「ジャーニー&ジャージー」を開発した。「解き放つ服」をコンセプトに、性別も、世代も、サイズも、着方も、時代も全てから解放される一着を目指す。

同社は64年に和歌山市で創業。10年ころからは特注のハイゲージに特化したニットを開発し、国内外へ発信し続けている。同ブランドは、全てハイゲージニットを使う。伸縮性があり、リラックスした着心地を提供する。ストライプ生地を切り替えたロングシャツが税込み3万8500円、同素材のリラックスショーツが1万9800円、光沢のあるハイゲージのフルレングスシャツが3万8500円、ワイドストライプのベーシックシャツが2万7500円、同素材のパンツが2万2000円。卸先はインテリアショップや寝具店などを想定する。ホテルなどとの協業も視野に入れている。
メリヤス業として120年余りの歴史がある徳島県のトータス(H-11)は、オリジナルブランド「ワッフルハラマキ」に力を入れる。企画・裁断・縫製・検品・パッケージングまで自社で一貫生産する。現在はオンライン販売が中心だが、レディスファッションの専門店などへ卸販売の拡大を計画している。

同社では「体にとって大敵の〝冷え〟を防ぐことが、内側からの健康と美しさにつながる」と考え、5年前にスタートした。商品には三つのこだわりがある。①自社工場による日本製②遠赤外線効果や消臭効果がある特殊繊維「エンバランス糸」の使用③オリジナルのワッフル構造。
ワッフルハラマキ(税込み2750円)をはじめ、スフレやスーピマ使い、「あまべ藍」使い(6380円)がある。そのほか、ワッフルハラマキショーツ(4620円)、スフレワッフルタンクトップ(4950円)なども揃う。
「ジアンフィ・ロンドン」(H-16)はサステイナビリティー(持続可能性)をテーマにした、ロンドン発のアクセサリーブランド。様々な廃材をアップサイクルした素材のハンドメイドアクセサリーが主力だ。環境に優しいだけでなくファッション性にも優れ、欧米を中心に多くのファンを持つ。

素材に使うのはリサイクルのレザーといった一般的なファッション向け素材から、通常ではあまり見られない物まで多岐にわたる。例えば、新聞紙から作ったネックレスは、切り出した新聞紙にハンドペイントと防水加工をした変わり種。独特な風合いがアクセントになるほか、軽量で着けやすい。小売価格帯は5000~2万円。
販路は6割が米国、3割が欧州、1割がその他。顧客にはニューヨークの伝説的ファッショニスタ、アイリス・アプフェルさんなどがいる。日本では全国の個店のほか、大手カタログ通販とも取引がある。
「デザインはアートや日常の風景、社会ドキュメンタリーなどに着想する」とデザイナーのヤン・ジアンフィさん。廃棄ペットボトルのドキュメンタリーに感銘を受け、ペットボトルを再利用する「アクアコレクション」も立ち上げた。
日本市場向けには廃棄の木材をアップサイクルしたロングタイプのネックレスがイチ押し。ヤンさんは「一緒に環境問題に取り組んでくれる取引先が理想」とし、「百貨店から地方の個店まで幅広く出会いたい」考えだ。

「カット」(フルヤマモトミ、H-29)は岐阜・中津川市を拠点に、ワークウェアをベースとしたデザインのアイテムを製作する。
「全ての創る人に捧げる、ファッションとしての作業着」を目指し、作り手が主役になれるミニマルなデザインのジャンプスーツを中心に提案する。これまで販売してきたジャンプスーツのディテールに少しずつ変化を加えてデザインを洗練させながら、実用性も高めた。
メンズのジャンプスーツ(税込み3万6850円)は手洗いの際、用を足しやすいように股間部分をボタンからファスナーにした。レディスは、つなぎの下半身をスカートにしたドレス(3万9600円)に、新しくチェック柄を出す。改良したデザインのジャンプスーツは、10月下旬から店舗と公式オンラインショップで販売予定だ。
