合同展「プラグイン/エディトリアル」(繊研新聞社とCREDITSの共催)はきょう10月24日、東京・恵比寿のエビス303で開幕する。会期は26日まで。75社・100ブランドが出展する。うち新規出展が7割を占め、新興ブランド、老舗工場、有力企業、新規参入組と、多彩な顔触れが揃う。
(カッコ内はブース番号)
新しい〝うねり〟を作り出そうとする意欲的な提案が目立つ。代表は、帽子の水野ミリナー、靴のオギツ、婦人服のキュリアスデザインの3社による協業ブース(H-22)だ。
先行して前回の3月展で、婦人服「パルクアン」と水野ミリナーの新ブランド「ミリナ」が、「帽子を中心にスタイリングするセレクトショップ」をイメージしてブースを作った。ポイントは、服の素材感や色使いなど、改めて服を意識して帽子を提案した点。提案は2年がかりで、企画テーマの議論に始まり、MDやVMDをすり合わせた什器も作って披露した。
評価は上々で、来場者投票で最多票を集め、「帽子のモード感がアップし、一体感がある」「MD手法が新しい」と、新規出店につながった。
3社の協業となり、提案はステップアップする。一つにまとめるのは容易でないが、キュリアスデザインの片葺洋三社長は、「ECでは体験できないリアル店の楽しさを提案したい。合同展にはビジネスモデルを提唱する機能も必要」と意気込む。
また、イベントコンテンツという新タイプの出展が成功した事例が登場している。今年の3月展に出展し、来場者投票で特別賞に選ばれた「クリエイターズヴィレッジ」だ。同ブランドは阪神百貨店梅田本店が手掛ける自主編集売り場で、出展をきっかけに、協業先を探していたJR東京駅の構内のイベントスペース「スクエアアゼロ」へ期間限定出店が決まった。百貨店と駅ビルの協業という異色の取り組みにより、クリエイターのコミュニティーを作る。
売り場に生活演出を加える食雑貨は、4ブランドが出展する。
「ココノ」(H-18)は手作りの100%ココナッツヨーグルト。砂糖や保存料を使用せず少量生産、プラスチック不使用の生産体制で、体や環境に優しく、おいしくて食べる喜びを感じる製品を追求する。
「イッツマイシング」(F-01)が揃えるのはオーガニックコーヒーや焼き菓子。「Enrich Your Life!」をコンセプトに、世界のサステイナブル(持続可能な)、ナチュラル&オーガニックを編集したショップと通販サイトを運営しており、今回はオーストラリアのオーガニックコーヒーやデカフェ、手作りスイーツを揃える。
合同会社OCトレーディング(F-10)はベトナムのカカオに着目して16年、ベトナムで設立した。カカオ農業の持続的成長を掲げて製造・加工、流通、消費の改革に挑んでいる。19年にカカオ農園と共同で設立したチョコレート工場は、4年目にして世界的な品評会で入賞した。南国フルーツの酸味を感じるおいしさ、ポップなパッケージに注目だ。
「しまんと百笑かんぱに」(F-11)は高知・四万十地域の食文化や生活を、現代生活に提唱する。展示するのは、そうだかつお節やかつお節で作るしょうゆ・だし酢をコーヒーのように毎朝、ドリップして飲む〝のむおだし〟。新しい生活体験として打ち出す。