《プラグイン見どころ》日常に彩り添える商品

2020/10/22 06:27 更新


 東京・渋谷のヒカリエホールで10月23日まで開催している合同展プラグイン(繊研新聞社主催)は、心地良さや色柄、デザインで何気ない日常に彩りを添えるようなウェアや雑貨、ライフスタイルグッズが豊富に揃う。丁寧に作られた商品の背景には、産地発や伝統技術、エシカル(倫理的な)など語れるストーリーがあり、それぞれ個性が光る。作り手の思いと商品にぜひ触れてほしい。

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◆インドの技術でリラックス服

 「ティトゥリー」(AH-016)は、インドならではの織りや刺繍、手染めといったテクニックを生かした、リラックス感あるドレスやブラウスを作る。大手セレクト店のOEM(相手先ブランドによる生産)なども請け負うティトゥリーマーケットリンクのオリジナルブランド。日本企画・パターンできれいめのデザインに仕上げているのが特徴だ。フリンジタッセル付きのリボンがアクセントのレースのドレス、細かなピンタックでフロントを飾るスモック、エメラルドグリーンに製品染めしたドレスなど。素材はオーガニックコットンをはじめとする綿、綿・麻中心。デリーやジャイプールの三つの協力工場で専用レーンを設け生産している。価格帯は1万円台~2万円台。

ティトゥリー

◆リネンの持ち味生かし幅広い商品

 「ユルガ」(AF-006)は「エコテックス」スタンダード100の認証を取得したリトアニア産のリネンを使ったブランドだ。18年の設立。素材はリネン特有のしゃり感がありながら、柔らかい肌触りが持ち味で、吸水・速乾にも優れる。商品はベッドリネンやレディス向けのドレス、昨年始めたキッズラインなど多岐にわたる。キッズラインは母娘お揃いで着られるドレス、プチギフトにもなるスタイや歯固めがある。現在はインテリアメーカーへの卸販売やOEMなどの実績があり、消費者向けにはECで販売している。今後は消費者への訴求を強めるため、アパレルやライフスタイルを扱う店との取引を増やしたい考えだ。

ユルガ

◆ニットでカラフルなマスク

 ユニセックスニットウェアブランド「FFM」(AH-020)は、6型9素材のニットマスクを展示する。カラーバリエーションが計43色と豊富。「ニットでファッション性の高いマスクを届けたい」と、コロナ禍を受けて初めて企画した。秋冬向けにニットの防寒性も想定し、広く顔を覆える男女兼用で大きめのフリーサイズとした。ニット本来の伸縮性と、立体的な形で、肌をいためない程良いフィット感を持たせた。耳にかけるゴムは、印象が重くならない程度に太めの柔らかい糸で覆っており、耳にやさしい。アジャスター付きもある。型によってポリエステル、ナイロン、綿、レーヨンなどを使い、蒸れ防止の接触冷感や抗菌防臭など機能性を付与している。1900円と2400円。

FFM

◆万年筆用紙でアクセサリー

 「トリガー」(AF-003)は、神戸の老舗印刷会社発のアクセサリーブランドだ。同社が開発した万年筆用紙「グラフィーロ」を使用したブローチやピアスを作る。発色の良さを生かし、鮮やかなカラーのインクを手作業でのせ、樹脂でコーティング。封筒型に折り畳んだブローチ、真鍮(しんちゅう)パーツと組み合わせたロングピアスなどがある。価格帯は3500~7000円。今年6月にデビューし、インクや万年筆などと共にコーナー展開する形で期間限定店などで販売してきた。合同展示会への出展は初となる。「文房具ユーザーだけでない、幅広い消費者との出会いに期待したい」という。

トリガー

◆イグサで雪駄やカードケース

 「イノカ」(AF-016)は、「いぐさの香りを暮らしに」をコンセプトに、畳に使われているイグサを原材料に雪駄(せった)やカードケースなどを販売している。畳店の井戸畳店が始めたブランドで、年々厳しい状況が続いている畳業界をどうにか打破しようと、改めて「イグサの良さを感じてもらいたい」という思いで企画した。自社でイグサを栽培し、製品をつくるほどこだわり抜いている。今年の2月にクラウドファンディングで販売を始めたばかりで、より認知を広げるために出展した。雪駄とカードケースのカラーパターンは全部で48。それぞれ、「牡丹(ぼたん)」や「濡羽(ぬれは)」など和の色で表現している。雪駄はメンズが1万2800円、レディスが1万1800円。カードケースは5800円。

イノカ

◆セルビアの農夫靴を職人技で

 「オパナック」(AH-065)は、セルビアで農夫靴として親しまれている「オパナック」を販売している。1935年にセルビアの民族衣装として生まれた。天然ゴムを使用しており、ゴムに硫黄を添加し、熱すると硬化するゴムの加硫法を用いたバルガナイズ製法で一点一点職人の手作業で作られている。創業当時から変わらない製法で作られているため、こだわりや歴史などを感じることができる。日本で扱い始めたのは10年前ほどだが、昨年11月から改めてフォーカスし直し、今年に入って公式サイトやインスタグラムなども立ち上げた。高校生から65歳くらいまでと幅広い年齢層に支持されている。人気の商品はストラップ付きのもので、6300円。

オパナック


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