【フィレンツェ=小笠原拓郎】25年春夏シーズンの幕開けとなる第106回ピッティ・イマージネ・ウオモ展の招待デザイナーのイベントが、相次いで行われた。五輪の影響で混乱が予想されるパリを避け、フィレンツェへと発表の場を移したブランドも多い。
「マリーン・セル」は、フィレンツェ郊外で25年春夏コレクションを見せた。ピッティ・ウオモを意識してか、テーラーリングが充実したコレクション。マリーン・セルのアイコンともいえる三日月モチーフはスーツのボタンにあしらわれる。三日月をプリントしたレザーはマスキュリンなやタイドアップスタイルやフェミニンなベアトップドレスに仕立てられる。
リメイクのアイテムなど、サステイナブルな物作りにも引き続き力を入れている。リュックサックをリメイクしたようなディテールのマウンテンパーカ、パッチワークチェックのコートやミニスカート、デニムをパッチワークしたドレスもある。リメイクアイテムも、いつもよりはエレガントな雰囲気が漂うのが特徴だ。リュックサックのパーツをリメイクしたドレスは、透け感のあるパーツとのコントラストで官能的な雰囲気も持っている。テーブルクロスやナプキンのような布を使ったシャツやブルゾンは、レトロなイメージを強調する。白いコートにはカラフルなコサージュを刺繍して華やかな雰囲気を作った。
ピッティ・ウオモの常連ともいえる「ピエール・ルイ・マーシャ」は、初のランウェーショーをピッティの関連イベントとして行った。マーシャの得意とするプリントやスカーフをアイテムに取り入れたコレクション。頭からスカーフをすっぽりとかぶったレイヤードスタイルやパネルプリントのシャツ、直線的な切り替えプリントのアイテムが充実する。繊細なフラワーや鳥など自然をモチーフにしたプリント柄が軸となる。