【パリ=小笠原拓郎】23~24年秋冬パリ・オートクチュールコレクションは、プレタポルテのトレンドを反映してか、ボディーを意識したデザインやシンプルにまとめたコレクションが増えている。女性の体を強調するコルセットやビュスティエのディテール、ボディースーツといったアイテムが目立つ。ただし、シンプルでありながらもオートクチュールらしい上質感は貫かれている。
(写真=ジャンポール・ゴルチエは大原広和)
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ヴァレンティノはパリの郊外にあるシャンティイ城をショー会場に選んだ。パリから1時間半の距離。やや風の強い晴れた夕暮れ時に、城の庭に巨大なランウェーを作って見せた。
それは上質な素材とシンプルなカット、美しい色で見せるマジックのようなショー。白、ブラウン、ベージュ、ピンク、鮮やかなクラインブルーに淡いピスタチオグリーン、透けるようなパープル。独特な色の組み合わせが夕暮れの日差しに輝いて見える。
アイテム自体は、とてもシンプル。でも、その素材感とカットでエレガンスを生み出す。そして、この色彩感覚はやっぱり特別なもの。他のブランドとは一線を画すピエール・パオロ・ピッチョーリのセンスが光る。
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