【パリ＝小笠原拓郎、青木規子】24年春夏パリ・コレクションは、若手から始まった。パリ初進出の新進デザイナーや日本の有力株が中心だ。ラグジュアリーブランドによるエンターテインメント性の高い発表が増えるなか、独立系の若い層は、それぞれが得意とする分野や手法を掘り下げて、独自のスタイルを実直に提案する傾向が強まっている。
アンリアレイジは今シーズンもテクノロジーを背景にしたコレクションを見せた。白いジャージーのボディースーツにPVC（ポリ塩化ビニル）のジャケットやスカートをレイヤードしたスタイルがベース。舞台の中央で光を浴びると、そのアイテムが色と柄を浮かび上がらせる。ジャージーのボディースーツにはグラフィカルな模様が浮かび、透明だったPVCのアウターはブルーやパープル、イエローといった色へと変化する。マクラメニットでトリミングしたPVCコートはそのパーツごとに光によって色が変わる。ブルー、パープル、イエローといった色はまるでステンドグラスのような配色で、しかも光の加減でPVCの色も微妙に変わっていく。
