素材3分レッスン・パナマソウ

2015/05/02 07:31 更新


エクアドル原産、丈夫で軽い

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 夏に人気のパナマ帽の素材のこと。日本では、安価なペーパー製の〝パナマ風〟も含めてパナマ帽と呼んでいる場合が多いが、実は間違い。本来のパナマ帽(本パナマ)は、中南米原産のヤシ科トキヤ草(パナマソウとも言う)を原料とするものを指す。使うのは、葉の内側の柔らかな部分のみ。裂いて束状にした後、大釜でゆでてから乾燥させたものを編んで帽体を作る。本パナマは少し黄みがかったクリーム色で通気性があり、丈夫で軽い点が特徴だ。

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 もう一つ、パナマ帽で勘違いされがちなのが原産国だ。パナマが発祥だと思っている人が多いが、正解はエクアドル。名前の由来については諸説あるが、パナマ運河をルーツとするのが有力。現在も本パナマのほとんどがエクアドルで一つひとつ手仕事で作られる。中でも「モンテクリスティ」と呼ばれる最高級品は、同名の地域で仕上げられたもののみを指す。繊維が細く、編み目が細かくなるほど、グレードが高い。

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 15年春夏は、トレンドとしてパナマ帽が注目されている。レディスは今秋、フェルトの中折れ帽のヒットを受け、メンズは紺ブレ&白パンスタイルのアクセントとして、様々なデザインが登場。アクセントのリボンの色や素材の種類も豊富で、消費者の選ぶ楽しみが広がりそうだ。

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栗原の15年春夏物の展示会では、パネルや映像を使って本パナマについて説明
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「トキオハット」(オーロラ)は来春夏、英老舗ブランド「パチャクティ」と協業したパナマ帽を出す
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