パルは5日、東京・原宿の明治通り沿いに2層の複合型新店舗「ベースヤードトーキョー」をオープンした。リブランディングを進めている、今年で30周年のセレクトショップ「チャオパニック」の売り場を広く取ったほか、ポップアップスペースや約1万冊のマンガコーナーなども織り交ぜ、原宿から新しいカルチャーを発信する。
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同店舗はパルの東京オフィスと同じビルで、元々は同社のチャオパニック、「ミスティック」「カスタネ」「フーズフーチコ」の店があった。その後、15年に業態転換で「CPCM」、17年に「チャオパニック・カントリーモール」という変遷を経て、再び自社の複数ブランドを扱う店にリニューアルした。
1階がチャオパニックとチャオパニック・カントリーモール、2階がミスティック、カスタネ、「フーズフーギャラリー」の五つ。内装はサポーズデザインオフィスが担当。店内BGMのプレイリストにもこだわった。面積は約1000平方メートル。


単なる複合店ではなく、ブランド同士の境界が無いシームレスな配置で回遊しやすくした。各ブランドに顧客が付いていることや、新しい仕掛けも加えていることから、過去の店舗よりも高い売上高を見込み、店単体で採算を取れるよう目指す。周辺の店舗は意識せず、「うちらしく面白いことをやっていきたい」と同社。
1階入口付近はポップアップスペースとして、店舗スタッフのアイデアも取り入れてジャンル問わず旬や刺激あるコンテンツを定期的に提案する。2階奥では、マンガを昔の名作から最新作までずらりと並べて販売する。マンガの持つ、日本人の共通言語として人と人をつなげる機能に着目した。東京、音楽など原宿らしいテーマごとでもマンガを編集する。側にDJブースも設け、ライブやトークイベントも行う。待ち合わせなど、原宿に来た人が集える場所としても存在感を出す。

前身の店は、チャオパニックのブランドイメージ向上の目的もあった。今回は1階の店をチャオパニックの旗艦店と位置づけ、オリジナルや仕入れ商品のほか古着も充実した。原宿の古着店「ペンギントリッパー」監修で特定のブランドの古着を集めたり、10月後半から吉祥寺のセレクト店「ザ・アパートメント」のショップも導入し、新たな出会いを提供する。

今秋冬から就任したチャオパニックの市之瀬智博クリエイティブディレクターは、「アメリカンカジュアルやアメリカントラッドを進化した形で見せられたら。オリジナル商品は、他社に左右されず商品に見合った適正価格にしていきたい」と話す。一新したブランドロゴは既存店にも広げる。



