ペイディの「3回あと払い」 高額品、複数点購入が増える

2021/08/10 06:26 更新


 決済サービスのペイディ(東京)は、後払い決済の「ペイディ」「ペイディプラス」の利用が拡大している。昨年10月からサービスを開始した「3回あと払い」では高額品、複数点購入と購買スタイルの幅が広がり、客単価、購入点数が伸びている。グローバル決済の「ペイパル」との提携で、海外サイトでも3回あと払いを選択できるなど、利用機会も広がっている。

 ペイディの3回あと払いサービスは月内に利用した支払いを分割手数料無料で3回に分けられる。利用客は翌月あと払いと比べて、月間平均購入額が約3倍高いという。想定通り高額品での利用が伸び、サービス開発の目的である「新しい挑戦をサポートしたい」という〝背中押し消費〟につながっている。

 普段使いの商品を複数点購入する利用も増えている。「毎月の上限額を決めてECを利用する人にとっては、購入点数を増やす効果があった」という。Tシャツ、ニット、パンツ、コスメ、ゲームなど値頃な商品を複数点購入するが毎月の支払いは一定にするという〝賢い〟使い方だ。

 「どちらもスマートな決済方法として受け入れられている」と橋本知周副社長。金利が発生したり支払い内容が分かりにくい分割回数の多い方法は敬遠される傾向にあり、「3回というわかりやすさや、月内の利用をまとめてコンビニエンスストアで支払う行為が自分で管理しやすいのでは」と分析する。

 ペイパルとの連携では海外を含めて3100万サイトで利用できるようになった。これまではペイパルはクレジットカード情報の登録が必要で、カードを持っていない人や、情報登録に不安を感じる人はサイトを利用できなかった。また利用者層もペイパルは30~40代が多く、ペイディは20代が多い。ユーザーの拡大で相乗効果がある。

 コロナ禍後もECサイトで購入する利便性は高く、「店頭支払いで分割を選択する人は少なく、ECなら知られずに利用できる。こうしたこともEC購入に流れる理由になる」とみる。



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