《売れるお店の作り方》 オトナ女性を呼び込むための“処方箋”
オトナ女性向けのファッション市場はこの間、新規ブランド立ち上げの増加とそれに伴う同質化、EC利用者の拡大による店頭の客数減など、厳しい状況に置かれている。百貨店やファションビルなどの館側では、16年春も注目の大型改装や新規施設開業が相次いだ一方、施設同士の競合も激化している。
こうした環境下で、オトナ女性を引きつけ、売れるお店や館を作るためには何が必要だろう。現在、好調なブランドから、5つのキーワードが見えてきた。
1、「何を着るかではなく、どう着るか」
レディスファッションのトレンドは、これまでのシンプル、ベーシックから、より装飾性のあるものへ移りつつある。一方で、ベーシックな服は好きだが、それをもっと自分らしく着たいというオトナ女性も多い。そこで、今年は「何を着るか」というアイテム軸ではなく、それを「どう着こなすか」に着目したブランド側の提案が目立つ。定番的なシャツやコートも、ディテールやサイジングにひねりを効かせて新鮮なイメージを出している。
2、「買えば得する超コスパ服」
今のオトナ女性は、コスメや食などのトレンドにも敏感だ。結果、相対的に服にどれだけお金を使うかという基準はよりシビアになっている。そんな彼女たちが注目しているのが、“超コスパ服”。特徴は、素材、縫製などの質が高い、着回しがきいてそれ1枚あるだけでおしゃれに見える、などのメリットがありつつ、周りの他のブランドと比べて明らかにリーズナブルなこと。競合ブランドより一品単価は低くても、プロパー価格で即買いさせる商品力は大きな強みだ。
3、「目の肥えた女性も納得のリアリティー」
価格志向の一方で、所得もそれなりにあって自立した30~40代女性は、多少高くてもちゃんとした服を大切に着たいという思いも強い。大事なのは、これを着れば絶対にすてきに見えるという安心感。リアリティーのある緻密なものづくりが、それを支えている。
4、「枠にはまらない独自性」
「ほかの人とかぶらない服が着たい」というオトナ女性に対して、独自路線の品揃え、スタイリングで勝負するブランドもある。リアルクローズであることを前提にしつつ、オリジナル商品に海外の古着などを組み合わせ、自由なファッションを提案している。
5、「おしゃれママが着たい&着せたい服」
オトナ女性市場の中でも、おしゃれママの存在感が大きくなっている。ちょっとした空き時間に買い物をしたりファッション情報を得られるECサイトやインスタグラムの影響もあり、親子揃って、妥協せずおしゃれを楽しめる環境が整いつつある。
詳細は、7月15日付『繊研新聞』本紙挟み込みの「レディスファッション特集vol.6」で
詳細は、7月15日付『繊研新聞』本紙挟み込みの「レディスファッション特集vol.6」で