オンワード商事 ユニフォーム製作のデジタル化で成果

2022/07/08 06:28 更新


 オンワード商事(村上哲社長)は、サステイナブル(持続可能)な物作りを目標に一昨年からユニフォーム製作のデジタル化を進めている。アパレル3D着装シミュレーションシステム「CLO」を導入し、サンプルを最大40%削減。リモート採寸システムの導入による採寸経費削減など成果を上げている。

 ユニフォーム業界でもコロナ下で、リモートワークやウェブでの商談が浸透中。「業界のデジタル化への対応と、効果的なプレゼンテーションの手法や他社との差別化、持続可能な物作りを検討して」昨春、CLOを導入した。

 色柄の変更やサンプルの修正がCLO上で可能になったため、医療従事者向けカタログ『ラフィーリア』では22年度第1四半期の社内サンプル検討会でサンプルを従来より4割削減。商品説明時、バーチャル空間で様々な年齢や性別、体形のアバターにサンプルを着用させ、分かりやすく表現できるようになった。実物のサンプルは保存場所や期限が限定され、廃棄するのに対し、3Dサンプルはデータを保存できるため今後、デザインの参考資料として活用する。

 一方、企業や学校のユニフォームの採寸は、大勢が集まる会場でサンプルの着用により対面で採寸するのが従来の手法。データを手作業で集計し、時間と労力がかかる割に、人為的なミスの発生も避けられない点が課題だった。そこでユニフォームの採寸や受注内容の集計業務をデジタル化するため一昨年、ユニフォームオーダーシステム「UOS」(ウオス)を導入した。

 機械学習アルゴリズム、AI(人工知能)を使い、スマートフォン端末で撮影した正面と側面の全身写真から、腕の長さや肩幅などの体形を採寸可能になり、コロナ下でのリモート採寸を実現。採寸会場の手配や時間調整、要員の人件費、データの集計などの時間や手間、経費を大幅に削減できた。採寸情報の自動集計や適正サイズのレコメンド機能により、サイズ違いなどでの発注後の返品・交換の減少、廃棄の削減にもつながった。ホテルなどの取引先にも、採寸時の会場費や交通費などの経費を大幅に削減できたと好評だ。

 今後も、ユニフォーム事業でのデジタル化を推進する方針だ。

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