ニューヨークのショールーム、ザ・ニュースの24年秋冬プレスデーは、スポーティーでありながら、どこか女性らしさを感じられるアイテムが揃う。スポーティーな服の動きやすくて楽な部分と、しなやかな女性の雰囲気を同居させているところが、今の気分に合っていると言えるだろう。ジムで着るようなフィットネスウェアを着こなしに取り入れたり、スポーティーなアイテムを華やかな素材で仕立てたりしている。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
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「6397」はスポーティーかつドレッシーなアイテムが多い。2本線を入れたブルゾンとタイトスカートのセットアップ、身頃は小さめでやや長めの半袖を付けたTシャツがその好例だ。素材にも凝っていて、ウールとナイロンを一緒に編んでからナイロンだけ溶かしたセーターは、溶けた部分が薄く、ガーゼっぽいタッチになる。色もスポーティーな服によく使われる赤、黄、青の原色を利かせた。
「マリア・マクマヌス」の着想源は、20年代~30年代のフランスで活躍したアイルランド人インテリアデザイナー、アイリーン・グレイ。細部に気を配りながらラグジュリアスでシンプルに仕上げる当時の物作りを念頭に置き、コレクションを組み立てた。マクマヌスの場合、細部を語るのにはサステイナブルな素材が必須。イーストマンケミカルが資源の循環性向上のために開発した「ナイア・リニュー」は、レザーのようなタッチだ。それでシンプルなドレスを作る。洗いをかけたナイア・リニューは、リサイクルダウン入りのトレンチコートに仕上げた。裾にペプラムを入れたセーターは、オーガニックコットンとリサイクルカシミヤが半々。可愛らしさと華やかさがあるシルバーのブルマーは、日本製のリサイクルポリエステルを使った。形はシンプルでクラシック。ダブルブレストのテーラーカラーのジャケットとコートには、取り外しできるケープを付けた。