【ニューヨーク=杉本佳子通信員】25~26年秋冬ニューヨーク・ファッションウィークは、くるぶしが隠れるくらい長い丈のロングコートと、しなやかな素材で仕立てた量感のあるパンツが浮上している。ボディーを包み込んで守られているように感じられる服、ボディーを締めつけない楽な服が今の気分ということなのだろう。
【関連記事】25~26年秋冬ニューヨーク・ファッションウィーク 自由の尊重をメッセージに込めて
アルトゥザッラが今シーズン描くのは、自分の経験を武器としてまとい、傷を見せることを恐れない女性像だ。過去とつながっているが、過去によって定義されたり決めつけられたりすることに反抗する女性だとしている。そんな毅然(きぜん)とした姿に似合う服として見せたのは存在感のあるコート、繊細で官能的なロングドレス、きりりとしたセーターの着こなしだ。全身をゆったり覆うウールのケープ、毛足の長いショートコート、ピエロカラーを付けたマキシレングスコート、ゴージャスなファーのコートが並ぶ。
![](https://senken.co.jp/production/uploads/file_content/file/355626/large_ALTUZARRA_FW25_LOOK24.jpg)
フェアアイルセーターとポップコーン編みのセーターは白シャツの上に重ね、袖をまくって白のカフスを見せる。裾はボトムにタックインし、ウエストをベルトでマーク。チャンキーセーターをすっきり凛々(りり)しく着る方法を見せてくれた。ドレスはサテンまたは透けるオーガンディで仕立て、ランダムに重ねた布やアシンメトリーにつまんだディテールでデリケートな表情を作る。