日鉄住金物産は、インドのパンジャブ州立農業大学(PAU)と色のついた綿花の共同研究を始めることで合意した。これにより「染色工程を必要としない糸、生地、衣料品の生産が可能」(同社)とし、同社繊維事業本部が強化している「環境にやさしいサプライチェーンの構築による社会貢献」を目指す。24年までに大規模栽培ができる種子の開発を目標とする。
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共同研究は、東京農工大学の講師である鈴木栄博士の「植物における組織培養技術、色素生合成に関する遺伝子単離・解析技術」などの基礎研究がベースになる。綿花は本来、白い実をつけるが、共同研究によって従来にない赤や黄、青などの実をつける綿花を開発する。主要な綿花の生産国であるインドで、充実した研究施設と農場を保有するPAUは研究に適した環境と判断した。
同社によると、事業のイメージとしてインドの紡績などが糸や生地を扱うほか、ヤギが糸と生地の販売、日鉄住金物産はヤギから糸を仕入れて製品OEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)を行う構想だ。