米ナイキ3~5月 5四半期連続の減収、純利益は86%減

2025/07/07 06:26 更新NEW!


 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米国最大のスポーツ用品メーカーのナイキの第4四半期(3~5月)決算は、売上高が110億9700万ドルで前年同期比12%減となり、5四半期連続の減収となった。純利益は2億1100万ドルで86%減となった。値引き販売が増えたため粗利益率は4.4ポイント低下の40.3%、マーケティング費用の増加で営業利益率は5.6ポイント低下の6.7%。

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 「ナイキ」ブランドの売上高は108億ドルで11%減となった。DtoC(消費者直販)は44億ドルで14%減。うち実店舗は2%減だが、ECは26%減。卸は64億ドルで9%減となった。アイテム別では、靴の落ち込みが最も大きく、71億8500万ドルで13%減、アパレルは30億200万ドルで10%減。「コンバース」ブランドは14%減となった。

 通期では、売上高は463億300万ドルで10%減、純利益は32億1900万ドルで43.5%減となった。

 昨年10月に社長兼CEO(最高経営責任者)に就任したエリオット・ヒル氏は決算について「予測通りの結果」とする。同氏は就任以来、ナイキブランドの社長をはじめ、同ブランドの主要な経営幹部を刷新し、本社で一部の人員を解雇した。卸部門では大型専門店の「アーバンアウトフィッターズ」の店内にナイキブランドのコーナーを設けるなどの新たな取り組みを始めている。流通別ではECが苦戦する中、6年間中止していたアマゾンのサイトでの販売を7月から再開する。

 ランニング部門では、1500メートルで世界記録を持つケニアの女性ランナー、フェイス・キピエゴンと協業した靴とアパレルを開発、6月末から店頭販売を始めるなど、新しい試みが始まっている。



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