【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米ナイキ(オレゴン州ビーバートン)の第3四半期(24年12月~25年2月)の決算は、売上高112億6900万ドルで前年同期比9%減(為替調整7%減)で、4期連続の減収、純利益は7億9400万ドルで32%の減益となった。
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粗利益率は41.5%で3.3ポイント低下、営業利益率は7.0%で3.8ポイント低下した。ディスカウント販売の多い状況が続き、在庫増、生産価格上昇などで収益力が低下した。
「ナイキ」ブランドの売上高は108億9000万ドルで9%減、43%を占めるDtoC(消費者直販)は売上高47億ドルで12%減、うち実店舗は2%減だが、ECは15%減と苦戦が続いた。売り先との関係改善を進めている卸の売上高は62億ドルで7%減。
アイテム別で、最大の靴は72億800万ドルで12%減と最も落ち込みが大きく、アパレルは31億9300万ドルで3%減、用具は4億4700万ドルで2%減。「コンバース」ブランドは、売上高4億500万ドルで18%減となった。
減収が続く同社を立て直すため24年10月に新たに社長兼CEO(最高経営責任者)に就任したエリオット・ヒル氏は、勤続30年以上の元幹部。ナイキに戻って90日、「スポーツに焦点を当て、今すぐ勝つという戦略的優先事項が、進展を続けていることに勇気付けられる」とコメントした。
市場ではこの1年、大きなヒットが見られず、ランニング市場では遅れを取った感がある。
ただ、最近は「ボメロ18」、ロードランニングシューズ「エアーマックスDn8」、協業による「アストログラバー」、米国体操チームの新しいレオタードなど次々と新商品が紹介されている。