【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米ナイキの第2四半期(9~11月)決算は、売上高1123億8900万ドルで前年同期比8%減(為替調整後9%減)で、3四半期連続の減収となった。純利益は11億6300万ドルで26%減となった。粗利益率は43.6%で1ポイント低下、生産、流通コストを削減したものの、ディスカウントが増えたのが主な要因。営業利益率は11.2%で2.4ポイント低下した。「ナイキ」の売上高は120億ドルで7%減(8%減)、DtoC(消費者直販)は、コロナ下ではけん引力となってきたが、売上高40億ドルで13%減、2ケタの減収が続く。特にECは21%減と苦戦、実店舗は2%減。これまで売り先を厳選してきた卸の売上高は、69億ドルで3%減。「コンバース」は、売上高4億2900万ドルとなった。
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卸先の見直しなどが課題となる中、10月から指揮を執るCEO(最高経営責任者)は、一度退職した勤続30年以上のベテラン元幹部のエリオット・ヒル氏。ヒル氏は投資家説明会で「ナイキに戻って60日、すべてで『スポーツ』に焦点を当てる。一握りのスタイルに頼り過ぎ、『ブランド』に対する投資が十分でなく、リソースの集中化が弊害になっている。ブランドのDtoCに対する過度な強化は、幹部と話し合わなければならない主な課題である」とコメントした。
今後は、卸先との関係を立て直し、卸売りを回復する考え。在庫処分もあってウェブサイトには、ディスカウントの靴が並ぶ。