ニーマンマーカス 裁判所が再建融資の承認

2020/06/23 06:28 更新


 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米テキサス州の連邦裁判所に、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請していた大手百貨店のニーマンマーカスは、裁判所から、再建中の企業に対する融資であるDIPファイナンスとして2億5000万ドルと、さらに必要に応じて9月4日以降に1億5000万ドルが承認されたと発表した。同社はこれにより、破産法の適用から抜け出し、再建を目指すことになる。

【関連記事】JCペニーとニーマンマーカス 債務返済を見送り

 ジェフロイ・ヴァン・ラムドンク会長兼CEO(最高経営責任者)は「融資で営業の継続を確保し、徐々に店を再開させながら秋物の仕入れとデジタルの拡大に投資していく」とコメントした。これまでカーブサイドピックアップ方式を含めて90%の店舗が再開、「出足は好調でオムニチャネルに負うところが大きい」という。DIPファイナンスは従業員の給与、家賃、納入業者などへの支払いにあてられるが、今後、営業活動を進めながら40億ドルの債務を減らすため、資本構成が変わり、7億5000万ドルを融資する投資家グループが筆頭株主となる。

 ニーマンマーカスは、2度にわたるレバレッジドバイアウト(買収先の資産やキャッシュフローを担保に資金調達し買収すること)で債務を抱え、事業に投資すべき資金を金利と債務の支払いに吸い上げられてきた。投資家から融資を得たのは企業価値を認められたからこそといえるが、コロナ禍でディスカウンターを除くほとんどの米小売業が苦戦する中、再建のかじ取りは決して容易でないといえる。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事